現象を最もエレガントに説明する説:東京オリンピック2020 ロゴに何があったか

サイエンスにしても何にしても同じだと思うが、観測されている現象を最も矛盾なく、エレガントに説明している説や理論が最も信憑性が高いと考えるのが自然であると私は思う。それが仮に2ちゃんねるのような怪しいところに現れた説であっても、その出処が重要ではなく、その説明能力こそが重要である。

その意味ではここに投稿された内容が非常に気になる。

五輪エンブレム 取り下げるべき と広がる波紋  問題ない と組織委★17

関係者から聞いた話をマジレスすると オリンピックパクリエンブレム決定の際博報堂社員からリエージュエンブレムと類似しているからと指摘があったらしい
本来はこの時点で失格になるはずなんだが 博報堂幹部がリエージュ側に了解をとるから大丈夫としたが、予想に反していくらお金を積もうともリエージュ側は了解しなかった
仕方なくデザインをギリギリの線まで変更したらしい
それで発表したのだが リエージュ側からクレームが出た
もともとは円の輪郭も大きくそっくりそのままでLの三角のところに日の丸があるだけで明らかなパクリデザインだった
審査員にはここまで大幅に変更したことは口止めしている

参考までに下に各ロゴを示した。

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佐野研二郎氏にまつわる今回の事件では不思議な点が多く、もっと裏があるはずだと多くの人が感じている。この投稿された内容を信じると、その不審点の幾つかが見事に説明できる。

  1. どうして事前に似ていることに気づかなかったか?: オリンピンクほどの大イベントであるから、エンブレムが他のものに類似してしまっていないか、事前に十分に確認が行われているだろうとは誰もが想像する。今回の投稿では実際に博報堂の社員から類似性の指摘があったということなので、この疑問点が解消される。
  2. リエージュ側がどうして大物弁護士を雇って訴訟を起こすのか?: 盗作されたと訴えているデザイナーはそれほど有名な人ではないのに、どうして費用が相当にかさむであろう大物弁護士を雇うことができたのか。また類似性はあるとしても、偶然の類似の可能性が否定できない程度なので、どうしてそこまで確信を持って訴訟を起こせるのか。私にはこの2点は疑問だった。しかし事前にリエージュ側と博報堂が水面下で交渉をしていて、その交渉が決裂していたということであれば納得がいく。リエージュ側としては絶対に勝訴できる盗作の証拠を握っていることになるので、勝訴を確信していることになる。

今回は私が確実におかしいと思っていたことに限定して解説を試みた。不審点はまだ他にもあるので、今後も今回投稿された情報の視点から考えてみようと思う。

それにしても、現象を最もよく説明する説であるとはいえ、この話はあまりにも汚すぎる。最も信じたくない説の一つであるのは間違いない。

アップデート

不思議に思っていることをもう少し追加する。

  1. どうしてそもそも佐野氏の作品が採用されたのか?: 私はデザインの優劣を評価する立場にはないが、このエンブレムは一般人の間では必ずしも評価が高くない。むしろはっきり言ってかなり低い。そのような作品がどうして採用されたのかが謎であった。今回の投稿によれば、どうやら博報堂の影響力が相当に強いようである。選考過程において博報堂の利益誘導があったとしても全く不思議ではない状況といえる。

なお確認はできていないが、これについては以下のツイートも気になる。本当であれば佐野研二郎のデザインが採用されるのは最初から出来レースであったということになり、なおかつそのことを利用しビジネスを有利に展開していた広告代理店の姿が見える。

多摩川 慰安婦問題さんはTwitterを使っています 東京五輪エンブレム発表会は7月24日 高崎卓馬は五輪エンブレムの選考委員 電通の高橋が佐野研二郎を前面に打ち出した 夏は昼からトート キャンペーン を 東京五輪エンブレムで佐野デザインがブレイクします ってサントリーにプレゼンしたのが5月のGW前後w FX Kuririn

アップデートその2

まだ一つ、私には理解できない大きなポイントが残っている。今回の投稿を含めて考えても理解できないでいる。それは、どうして大会組織委員会がベルギーのオリビエ・ドビ氏をかくも強く非難したかである。

我々の詳細な説明に耳を傾けようともせず、自らの主張を対外発信し続けたうえ、提訴する道を選んだ態度は公共団体としての振る舞いとしては受け入れがたい

これは真っ向から裁判で対決しようという姿勢であり、早期の和解の可能性を遠ざけるものである。よほどの勝算がない限り、それも早期に決着がつけられる自信がない限り、このような発言はしないと考えるのが普通であろう。なぜならばオリンピック関連のグッズ制作などは始まっており、スポンサーの広告などでもエンブレムが使用されるはずだからである。万一敗訴した場合にはその時点からすべてを作り直さないといけないわけで、故意が判明した場合には賠償責任を負うからである。裁判は数年かかるのが普通であるから、決着がつくまで戦うとオリンピック直前になる可能性があり、傷口が浅いうちに早期に和解するのが得策だろうと私などは思う。もちろん和解を有利に進めるための作戦もあるだろうが、ベルギー側を強く非難することはさすがにリスクが大きいと感じる。

今回の投稿と矛盾しない説明をするためには、エンブレムの類似性に気づき、秘密裏にベルギー側と交渉していたのは博報堂までで、大会組織委員会には知らせていなかったと考えないといけない。大会組織委員会に対して、博報堂などが「絶対大丈夫」と委員会に伝え、ナイーブにも委員会がそれを信じたと考えないといけない。そんなことがありうるのかどうかは業界の体質を知っている人間でないと何とも言えないと思うが、もしそうだとするならばあまりにも博報堂が傲慢だったと考えざるを得ない。また大会組織委員会もあまりに楽天的だと考えないといけない(ただし競技場の予算見積もりの報道を見る限り、組織委員会がそれぐらいに楽天的である可能性は否定できない)。

アップデートその3

日刊サイゾーに『佐野研二郎氏の五輪エンブレム“盗作問題”「損害賠償」を恐れる利権構造の闇』と題された記事が8月19日に掲載され、今回の問題の裏で動いている広告代理店について解説している。特に新しい情報はないが、今回取り上げた2チャンネルの投稿を裏付ける内容となっている。