「若者が海外勤務を嫌うようになった」ってどれだけ本当か

ふと思いました。

「最近の若い社員は海外勤務を嫌う」ということがテレビで放映されているのを昨日見ました。同じような論調の新聞記事もよく見かけます。

近頃の若者の内向き傾向を批判的に論じたり、あるいはこれからの日本は海外に出て行かなければならないとハッパをかけたりするときに、このことがよく取り上げられます。具体的には最近の社員に聞くと、海外勤務を希望する人数がガクッと減って、ずっと日本にいたいという人が多いらしいのです。

さてこのような傾向が本当にあるのかないのか、実際に調査をしている訳ではないのですが、どうも鵜呑みには出来ないデータじゃないかなと思います。というのも一昔前の「海外勤務」と現代の「海外勤務」って全く状況が異なるからです。

一番端的なのは、赴任先が変わったということです。昔の海外勤務であれば欧州や米国を想像しましたが、今の赴任先は上海を筆頭にアジアが断然多くなっています。また日本も相対的に貧しかったので、日本よりも豊かな生活の国に行くのが昔の海外赴任でした。それに対して今の海外赴任は、日本よりも生活水準が低いところにいくのです。

昔だったらあこがれの地に、会社からの手厚い手当をもらい、優雅に数年間住めるというのが海外赴任でした。私も父親の仕事の関係で幼少時代を英国で過ごしましたが、それは確かに良い生活でした。

それが今の海外赴任は、日本よりも貧しい国で、現地の人のパワーに圧倒されながら生活するものです。住めば都ということも多いとは思いますが、海外赴任のイメージは今と昔とでは全く違います。

「日本の若者は内向きになった」と残念がっている人は、日本と他国の関係が全く変わったということを再認識した方が良いと思います。これは少なくとも部分的には日本が豊かになったことの結果であり、経済の焦点が発展途上国に当てられていることの結果なのです。

それを考慮した上で、今後の日本の方向を考えるのが正しいやり方ではないでしょうか。