Invitrogenの2008 第1四半期業績 

Invitrogen社の2008年第1四半期(1月から3月)までの業績が報告されましたのでポイントを紹介します。詳しくはPress Releaseを参照してください。

  • 売上は2008年Q1 $350 million (362億円)。これは2007年Q1の$309 millionと比較して13.5%の成長。ドル安になったことを差し引いて考えても7%の成長。これは価格と売上量が共に上昇したことが原因。製品群や地域を問わず、成長が見られました。
  • 粗利率は67.8%となりました。これは利益の高い製品が売れたこと、血清の利益率が改善したこと、それと為替の影響です。営業利益率は過去最大の28.7%に達しました。R&Dは売上対比で8.4%、営業マーケティングは19.6%。
  • 地域ごとで見ますと、アメリカ大陸で6%成長、ヨーロッパで21%成長、アジアパシフィックで19%の成長が見られました。インド、中国と韓国は共に二桁の成長を示し、それに対して日本はわずかに成長しました。
  • 電子商取引による売上はアメリカ大陸の売上の61%に達し、世界で見ても48%となりました。ちなみに2007年度の業績発表ではIT投資が年間で$83 million(85億円)と発表されていて、売上の6.5%をITに投じている計算になります。

感想

日本での売上のデータはありませんが、これだけドルに対して円高になっている訳ですから、「日本はわずかに成長」というのは円建てではフラットもしくは微減かもしれません。

それにしてもすべての製品が成長しているというのは世界市場全体の力強い成長を顕著に示しています。特にヨーロッパの成長は驚異的ですね。日本だけが取り残されてしまっている感じがあります。なお、Invitrogenは2007年業績も好調で、売上は11%成長させています。いま日本は世界に対して毎年10%弱ずつ取り残されています。これはInvitrogenだけでなく、バイオ全体の話です。

そして電子商取引がアメリカで61%にも達していることも驚異的です。ブログでも以前に話しているように、代理店そのものはうまくやると価値はあると思いますが、日本で何かが起こらないと、世界の流れに単純に飲み込まれてしまいそうな勢いです。単純に飲み込まれるというのは、代理店を無くして、研究施設がダイレクトにメーカーと取引をする形を強制されるということです。

用語解説

売上数字を見慣れていない人のための解説です。

粗利益
売上から製造原価を差し引いたもの。製造原価というのは、原材料や工場で働いている人間、工場維持費などの費用です。おおざっぱな考え方としては、原価は製造数量に比例するとします。ですから売れれば売れるほど儲かる部分です。

 

営業利益
最終的な利益に近い数字です。粗利益は製造原価だけを差し引いていますが、営業利益を計算するときはR&Dの費用、営業やマーケティングの費用、IT費用や総務的な費用も差し引きます。
粗利益、営業利益の水準
業界によって違いますが、例えば武田薬品の2007年3月期は粗利率が78.8%、営業利益率は35.1%、トヨタの平成15年度は粗利率が18.5%、営業利益率が9.6%、ソニーは2007年度はエレクトロニクスで営業利益が8.0%、ゲームで2.2%、映画で5.9%となっています。例えば国内製薬業界上位13社の平成18年3月期で見ると、粗利は平均で68.6%、営業利益は平均で28.8%となります。