アップル社をやめた役員は、その後成功しているか?

アップル社をやめた役員が、新しく入った会社で成功しているかどうかを分析した記事です。

  • NeXT時代からSteve Jobsとともに歩んで、アップル社のハードウェアとiPodを担当し、Palm社ではR&Dとエンジニアリングを担当している John Rubinstein。
  • John Rubinsteinの後任としてアップル社のハードウェアを担当し、Dell社でiPodのコピーを作ろうとしているTim Bucher。
  • アップル社のInteractive Media Groupを担当し、ソニーに引き抜かれたTim Schaaff。

みんななかなか思うようにいかないようです。

でもこれは世の中で一般的なことだと僕は思います。

人が仕事で成功するかどうかは、その人の能力そのものよりも環境が大きな影響を与えます。なぜならば Aという環境でうまくいくことも、Bという環境ではうまくいかないことが多いからです。アップル社でうまくいった行動がソニーでうまくいくとは限らないし、Dellでもうまくいきません。

野球の野村監督は貧乏で弱小なチームを強くすることには確実に成功しています。しかし阪神のように注目度の高く、お金もある(幹部も口うるさい)人気球団では力を発揮できません。

中途入社で人を採用するとき、その人の前の会社での実績などを見ることは多いのですが、単に成功したか失敗したかを見るのではなく、その環境・コンテキストを見ることが重要です。そして何よりも、成功したか失敗したかという結果だけを見るのではなく、その人がいったいどのような価値観を持っていて、どのような行動をとったかに注目した方がいいでしょう。

同じ人であっても、得られる結果とか実績はおかれた環境によって大きく変わってしまいます。しかし、その人の価値観と行動は驚くほどかわりません。人間というのは自分の思考・行動パターンを変えるのはかなり苦手です。

野村監督であれば、自分の野球理論を授業するのはわかっています。彼はそれ以外の監督スタイルはできないのです。従ってその球団の選手がその理論を素直に受け入れるような選手かどうかで結果は大きく変わります。野村再生工場が機能することによって、野村監督は選手から大きな信頼を得ています。逆に外部からFAを取るような球団ですと、野村再生工場が不要になって、監督が選手の信頼を受けるチャンスが減ります。

逆に言えば、自社に中途採用の人を招き入れる管理職の人は、自分の会社の状況を正確に理解し、新しく雇い入れる人に何をしてもらいたいかを具体的に良く考えておかなければいけません。そして、価値観と過去の行動をベースに人を採用するべきです。

業務を理解できていない無能な管理職は実績だけで人を採用しがちですが、そういうことをすると会社の中は価値観がバラバラになり、整合性のない行動が行われるようになります。