コンテンツ ディレイ シンドローム (どうしてコンテンツが軽視されるのか)

ウェブプロジェクトのマネージメントをやっているPepi Ronaldsが面白いブログ記事を書いていました。

The Cure for Content-Delay Syndrome

ウェブプロジェクトを10年間マネージメントした経験から

  • 一番最後に検討されるのがコンテンツ
  • 一番最後の仕上がるのもコンテンツ
  • プロジェクトが遅れる原因はコンテンツの遅れ

と述べています。
ユーザシナリオとかサイトマップとかデザイン、データベース設計、仕様決定に何ヶ月を掛けることはあるけど、コンテンツの作成はプロジェクトでは「その他」扱いされているとしています。

解決策として編集者をウェブプロジェクトに早くから参加させるべきだとしています。

編集者が最初からいれば、文書を書き始める前から書式や文体の統一を保証できるし、他の業務に追われてしまっているプロダクトマネージャー(メーカーで製品のウリを考えたり、価格を決めたり、サポート体制を準備したりする人)が大急ぎで書いた文章も、ちゃんと仕上げてくれます。

最近流行のSEOも、ちゃんとした編集者がいれば、不自然にならない感じで適切なキーワードを配置できますので、後から高いお金を払ってコンサルタントを雇う必要がありません。

また専門的な業界の文章の場合、ゼロから文章を書ける人はその分野の専門家なので、必ずしもきれいな文章が書ける人ではありません。なおさら編集者が重要になる訳です。

さて、僕の感想です

まさにその通り!

僕が所属したメーカーでは、いずれも編集者という人はいませんでした。

そのため、文体はバラバラになるし、誤字脱字は残ってしまうし、超直訳調のわかりにくい日本語もそのままになってしまうし、完璧な間違いだってそのまま放置されてしまいことがありました。コンテンツが遅れてしまうということは特にありませんでしたが、その一方で、編集者がちゃんと見てくれれば公開できるのにという情報はありました。

別にこれは日本に限ったことではなく、特にウェブサイトに関しては本社のものも結構悲惨なことがあります。ただ、日本の場合はさらにリソースが少ないので、印刷物までもおかしくなっているという状況です。

でもそれをなんとかしようにも、文章を書くための訓練をちゃんと受けた人はいないので、全体を仕切れるだけの信頼を受けている人はいませんでした。仮にいたとしても、その人は他の業務がたくさんあるだろうから、なかなか時間がかけられない。

僕が思うには、研究用試薬機器においては、製品そのものの性能と同じぐらいに技術情報は大切です。製品は必ずしも簡単に使いこなせないので、それをしっかりサポートするための資料は不可欠です。また簡便な製品が時間節約に役立つのと同じように、いい技術資料があればそれだけで研究者は時間が節約できます。

特に日本の支社はよく考えるべきです。並行輸入業者とメーカーの支社というのはいったい何が違うのか。自分たちのサポートや技術資料が弱かったら、日本に支社がある必要はあるのか?

僕が思い描く未来では、各メーカーの日本支社は、技術資料の作成とテクニカルサポート、さらに顧客の声を吸い上げて本社に伝えることにリソースの大部分を使うべきです。技術資料がきっちり書けていて、間違いがなく、読みやすいことを保証するために、当然のこととして編集者が必要になります。

紹介したブログの内容とはちょっと違うまとめ方になりましたが、各メーカーの日本支社は、自分たちが作り出すべきコンテンツを、もっともっと大事にしなければいけないと思います。