学会にソーシャルをどうやったら持ち込めるか

久しぶりに分子生物学会に一般会員として参加することになり、思い出したのが昔の重たい要旨集。昔はあれをそのまま担いだり、あるいは人によっては一部を切り取ったりして歩き回っていました。聞きたいフォーラムや見たいポスターのところはポストイットを貼って、それでもすぐには確認したいものが見つからずに苦労していました。

「今はどうなっているのだろうか?」「オンラインになって便利になったのだろうか?」

そういうことを思いながらいろいろ調べみました。その中で面白いと思ったのは「マイスケジュール」とか「Myスケジュール」とか呼ばれるものがここ数年で普及し始めていることです。医者向けの学会を中心に、基礎系の学会でも昨年頃から取り入れられているようです。

  1. SESAのシステムのデモ
  2. 2010年日本外科学会のもの(誰でも登録可能)
  3. 学会支援システム東海大学医学部小見山准教授、コンベンション静岡、株式会社トライテックが共同開発したiPhone, iPad用システムです
  4. 日本霊長類学会のiPhone, iPad版上の学会支援システムを利用

また2010年の分子生物学会・生物化学学会の合同大会でも「マイスケジュール」システムが導入され(現在はオンラインになっていません)、学会アンケートの自由回答欄(「スケジュール」や「schedule」の語句を探してください)でも概ね好評だったようです。まだ改善するべき点はたくさんあるようですが。

僕はまだ「マイスケジュール」を本格的に使ったことが無く、今回の分子生物学会が初めてになります。とても便利そうなので楽しみです。

それはそれとして、今回のブログではより一歩先を考えたいと思います。

インターネットのソーシャルメディアを活用した学会の将来像です。

どの演題に人気があるかを知る

多くの人がマイスケジュールを活用すれば、どのフォーラムやどのポスターが人気なのかを事前に知ることができます。

もちろん学術研究においては人気がすべてではありませんし、人気のないものが非常に重要な研究であることは多々あります。とはいえ、専門外の他分野の演題が多いと言うのが分子生物学会の大きな魅力の一つです。自分が良く知らない分野に足を踏み入れるとき、どの演題に人気があるかは大変参考になると思います。

仲間でスケジュールを共有する

分子生物学会のように広い会場だと、友人がどこにいるかを知るのは大変です。スケジュールを共有すれば、旧知の友人に会いやすくなります。

また研究室の中でスケジュールを共有していれば、誰がどの演題を見たかがわかります。後になって「あの演題どうだった?」って聞くのが簡単になります。

企業だとレポートを書かないといけないので、聞く演題がだぶらないようにしたりします。そのときもスケジュールが共有できると便利です。

FourSquare的に遊ぶ

FourSquareというソーシャル・ネットワーキング・サービスがあります。これは単純に、自分の現在の居場所を仲間で伝え合って遊ぶものです。人気が出てきたので、FacebookやMixiでも取り入れられています。

学会の各会場でこういうのをやると面白いかもしれません。

演者と聴衆をつなげる

最後になりましたが、これが一番意義のあるソーシャルメディアの活用方法です。学会のそもそもの存在意義は、研究コミュニティーを通して互いの良い成果を共有し、評価し合い、助け合い、そして切磋琢磨することです。これにソーシャルメディアをいかせる可能性は多分にあります。

例えば単純なコメントシステムでもかまいません。各演題について、それを見に行った人が後で何かコメントがかけるだけで面白いと思います。

あるいはFacebookの”Like”ボタンのような仕組みであれば、コメントを書くよりも敷居が低いので良いかもしれません。”Like”が多ければ、演者は大いに勇気づけられるでしょう。特に有名な研究者に”Like”でもしてもらえたら大喜びです。

Facebookの”Like”ボタンのもう一つの機能は、聴衆に対してメッセージが送れることです。もし学会で同様の機能があれば、研究の進展があったとき、演者は聴衆に情報のアップデートを送ることもできます。発表のあったその場だけでなく、以後も継続して関係を保つことができるので、共同研究に発展する可能性も高くなるかもしれません。

最後に

もしこういったソーシャルなサービスに興味を持っている研究者が多ければ、バイオの買物.comとしては2011年の分子生物学会に間に合うように、試みにシステムを開発してみようかと思っています。上記のすべての機能は実現できませんが、特に中心となるコンセプトが試せるものは作りたいと思っています。

興味のある方はここにコメントを残すなり、Twitterの@naofumiにTweetをください。よろしくお願いします。