日立のV字回復に見る、アジア新興工業国に負けない日本の製造業の姿

2009年に国内の製造業で過去最大の赤字を計上した日立がV字回復しています。

ポイントはいろいろありますが、私が注目しているのは以下の点です。

  1. 社会インフラ関連に近いグループ会社は本体に近づけ、そうでない会社は遠ざける
  2. 携帯電話、液晶、ハードディスク、テレビ事業などを売却あるいはそこから撤退
  3. 「米GE、独シーメンスと互角に戦えるインフラ企業になる」

なぜそこに注目するか。簡単に紹介します(いつかもっと詳しく書きたいと思っていますが)。

  1. 日本の電機メーカーが苦しんでいるのは、アジア新興国が十分な品質の安い製品を製造できるようになったため。
  2. 日本のメーカーが得意なのは「過剰品質」とも言われるほどの高い技術力。ただしそれを必要としないぐらいに電子技術が発達した。
  3. メーカーが一番の強みとする技術は、その会社が成長した頃に使われていた技術。日本の電気メーカーはアナログ的なもの。今のアジア新興メーカーはデジタルなもの。したがって日本の電機メーカーは総じてアナログ的なものに強みがある。
  4. 一般消費者は「過剰品質」の使い道がない。しかしB to Bの場合、非常に品質の高い設備を用意することによって、具体的な競争力であるとか収益を上げていくことができる。「過剰品質」は消費者向けには無用だが、ビジネスやインフラ向けには価値がある。

私は日本の既存の電機メーカーがデジタルで新興アジアメーカーと戦うのは基本的に負け戦になると考えています。特に消費者向け製品では価格競争に巻き込まれるだけです。

日本の古い電機メーカーがやらなければならないのは、「過剰品質」が重視されるビジネス・医療・インフラなどの市場で、アナログ的な電子技術が依然とした活躍している分野の製品を提供し、そこにフォーカスすることです。

これが私の考えです。

こう考えると、家電のエコポイントというのは全くばかげた政策で、日本の電機メーカーに誤った経営判断をさせる政策に思えます。大切なことは、日本の古い家電メーカーにデジタル家電をあきらめさせることです。