神戸女学院大学、内田樹さんのブログ

今朝の朝日新聞に神戸女学院大学、内田樹さんのブログの「貧乏シフト」という記事が取り上げられていました。最近の女学生の関心事が、「ブランド」「ファッション」「アート」「美食」から「東アジア」「窮乏」に急速にシフトしていることを取り上げています。そしてこれを「自分たちには何が欠けているのかを数え上げる」ことから「自分たちが豊かにもっているものを誰にどんなかたちで与えることができるのかを考える」方向性ととらえ、歓迎しています。新聞記事が面白かったので、内田樹さんのブログを読んでみたら、他にも面白い記事がいろいろありそうでした。

まだ少しだけしか見ていないのですが、ライフサイエンスの世界に関連のある記事を一つ紹介します。

「内向き」で何か問題でも?

この記事では、「『国内に同国語の十分なリテラシーをもつ読者が1億以上』というような市場をもつ国は世界にほとんど存在しない」という日本固有の特徴を取り上げています。そこから、日本人が「内向き」であること、一方でフィンランドのような小国が「外向き」であることは必然的であることを解説しています。(理系脳の私としては、内田さんの構造化されていない文章はとても読みにくいのですが、言っていることは僕の考えと良く似ています)

バイオの世界で言えば、これに関連することはいくつかあります

  1. アメリカの大学に行くと、日本人学生よりも韓国人学生などが圧倒的に目立つ。相対的に日本人は「内向き」なんだと感じます。
  2. 研究用試薬・機器の学術資料を和訳しているのは、ほとんど日本だけ。
  3. 専門用語を英語のまま使わずに、翻訳したものを使っている国は日本と中国以外になさそう。(加々美の過去のブログ

このブログでも何回か取り上げていますが、残念なのはこのような日本の特徴がアメリカやヨーロッパの本社になかなか理解してもらえず、和訳された学術資料の重要性を認識してもらえない点です。

でも僕の予想ですが、中国へ各メーカーが進出していくと、その国の言語に翻訳された学術資料の重要性が見えてくると思います。中国もまた巨大な国内市場を持っていますので、「内向き」なところは多々あるはずです。Googleの検索語を使った分析でもその傾向は見られています

そのときに、各メーカーの日本支社で培われた学術翻訳のノウハウがうまく活用されることを期待しています。(日本の支社も、そのつもりでがんばってもらいたい)

  • きゃろらいん

    ふむふむ。難しい内容ですが、私なりにコメントさせて下さい。確かに日本は四季にも恵まれ、リテラシーも高いので、日本語だけで十分情報が取れる。これって本当かもしれないですね。英語を教えている私には興味深いです。
    私の狭い見解からすると、海外に出た時に日本人が苦労する事が多いので(老若男女かかわらず)、もうちょっと外向きになった方が・・・なんて思います。ま、内向きと外向き、人材を分けて教育するのも1つの手かもしれないですね。

  • きゃろらいんさん、コメントありがとうございます。

    >人材を分けて教育する
    これをどのようにやるのがいいのかどうかはわかりませんが、非常に面白いのがアメリカの例だと思います。ご存知のようにアメリカは人口3億人で先進国としては最大ですが、外向きの人と内向きの人が明確に分かれています。2年前に初めてパスポートを取ったという副大統領候補のSarah Palin氏を筆頭に、外国に行ったことが無い、もしくは外国に行ってもマクドナルドにしか行かないようなアメリカ人は多数います。その一方でものすごく外向的な人がいます。
    日本と比較すると内向きの人は同じですが、外向きな人がより積極的に外向きですよね。

    僕が感じるのは、日本人の多く、そして以外にも外資系に勤めているような本来外向きであるべき人間の多くが、日本の本当の姿を良く理解していないことです。日本が先進国として2番目に大きい人口とGDPを持っていること、これを忘れたかのような発言がしばしばありました。我々はもっとこれを意識するべきだと思います。

    2番目に大きい人口とGDPを持っているということは、内向き志向の人間にとっては内向きを正当化する側面もありますが、他方では外向き志向の人間にとっては、より大きな自信と責任感の源になるように思います。この自信と責任感が、外向きなタイプな日本人をより積極的にさせてくれると思っています。

    自分たちを戦争に敗れ、米国に守られないと生きていけないような極東の小国だと思うのを止めましょう。欧米およびアジアから尊敬され、怖れられている世界有数の大国であることを自覚し、その責任感をもって海外と接していくべきだとぼくは考えています。(日本がODA小国化しているのはこれに逆行していて、情けない限りなのですが)