まだバグが直っていない

前のブログで指摘したバグが直ったかどうか、毎日こまめにチェックしています。なにせもともとは私が作ったものだし、うまく動いていないのは気になります。

しかも、バグを直したソースコードを私の方で作って、すぐに送ってあげたのに。

ソフトウェア開発外注がうまくいっていないと、こういう簡単なバグフィックスですら行われなくなってしまうのですね。私からは内部の状況はわかりませんが。

がっくり

P.S.
とは言うものの、コスモバイオも簡単なバグがなかなか直らなかったり、BioCompareもいつまでたってもよく落ちたりします。バイオのサイトは企業のものでも結構不安定なものが多い。
バイオの買物.comは私が作っているので、気付いたらバグをすぐに直していますが、テストがまだ甘いので、バグに気付かないことも多くなってしまっています。かなり気にはしているのですが。

ニコンの修理体制に大満足

僕は昔からニコンのカメラばかり買っていますが、その理由は簡単です。朝鮮戦争、ベトナム戦争などで従軍カメラマンを支えたニコンなら、サポート体制は万全だろうと。キャノンよりはスペックが劣っても、多少カメラを雑に扱ってもカメラ自身は頑丈だろうし、修理もちゃんとしてくれるだろうと。

ここ何年間か、実際に修理に出すことは無かったのですが、先日インターネットで修理をお願いしました。そしてその修理体制に大満足。

バイオの機器メーカーもこれに近いサービスが提供できるように、IT側からサポートできることはないか。そんなことを思いました。

修理の流れはこんな感じでした。

ウェブサイトで修理依頼

ニコンイメージングのサポートページから修理受付のページに移動します。

Nikon repair2.png

ここにはなんと「修理料金目安表」がありました。これを見ると、機種ごとの平均的な修理料金がわかります。「修理しようか、それとも我慢して使おうか」と悩んでいる人にとってはとてもありがたい情報です。

Nikon repair.png

実際の修理受付は「WEB修理受付」から。

なんと修理受付では最初に見積もりを出してくれるのです。機種と故障した箇所を入力していくと、故障した実際の製品を見てもらう前に見積もりを出してくれます。

Nikon repair3.png

あとは

  1. 製品のピックアップは宅急便で。宅急便が自宅までくるので、宅急便屋さんにカメラを預けます。
  2. メールで受け取り案内が来ます。
  3. 修理完了の案内と実際にかかった修理料金の案内がメールできます。見積もりより安かったのがまたうれしいですね。
  4. 料金はカメラ受け取り時に、宅急便屋さんに支払います。

見積もりがすっと出てくるので安心ですし、こっちの手間はほとんどなく、とてもスムーズに作業が流れました。

これがあるべき姿ですね。

バイオの機器修理もこれを見習いたいものです。

成功する会社は良いアイデアを潰せる

今回もBob Suttonのブログから。

Steve Jobsは次のように語ったそうです。

The thing I remember best was that Jobs advised them that killing bad ideas isn’t that hard — lots of companies, even bad companies, are good at that. Jobs’ argument went something like this: What is really hard – and a hallmark of great companies – is that they kill at lot of good ideas. Sure, this is tough on people who have come-up with the good ideas as they love them and don’t want to see them die. But that for any single good idea to succeed, it needs a lot of resources, time, and attention, and so only a few ideas can be developed fully. Successful companies are tough enough to kill a lot of good ideas so those few that survive have a chance of reaching their full potential and being implemented properly.

私が一番良く記憶しているのは、Steve Jobsの以下のアドバイスです。悪いアイデアを潰すのは難しくありません。悪い会社を含めた多くの会社でこれはできています。非常に難しいのは、そしてこれは優れた会社の特徴ですが、多くの優れたアイデアを潰すことです。良いアイデアを思いついて人にとって、これはつらいことです。自分が愛しているアイデアが潰されていくのは見たくありません。しかし、一つの優れたアイデアが成功するためには多くのリソースと時間と注意が必要です。ですから、十分に時間をかけられるのは少数のアイデアだけです。成功している会社はたくさんの優れたアイデアを潰すだけの勇気を持っていて、生き残った少数のアイデアが潜在的ポテンシャルを十分発揮し、正しく実施されるようにできるのです。

これには全く同感です。同時に昨日ブログに書いたように、非常に多くのアイデアを出すことの重要性も感じています。非常に多くのアイデアを生み出して、そして良いアイデアを含めて非常に多くのアイデアを潰していく過程がイノベーションには必要です。

通常はそのいずれかがおかしくなって、バランスが崩れます。

私が製薬企業に入社した1994年は、一般企業のバブルははじけていたものの、製薬企業のバブルはまだまだ膨らんでいました。各企業は最高益を更新し、研究開発においては非常に高い自信を持っていました。いつかは世界の大手製薬企業に飲み込まれ、日本の企業の淘汰が始まると言われていたものの、それが実際に始まる様子はありませんでした。

私が入社した協和発酵を含めた多くの企業は、この環境の中で多角化戦略を取りました。事業の多角化もそうですが、創薬だけをとってもターゲットする疾患の数が膨らみました。さらに分子生物学や構造生物学などの基礎研究にも積極的に取りかかり、気がつくと縦方向(基礎から応用)にも横方向(対象疾患の数)にも研究分野が広がっていました。これはSteve Jobsがいう、良いアイデアが潰せない状況です。

一方、製薬企業のバブルがようやくはじけた2000年前後になると、今度は極端な選択と集中が行われます。対象疾患を大幅に絞り込み、さらに基礎分野を大幅に減らしました。一見、これはSteve Jobsのいう良いアイデア潰しに見えますが、大きな問題がありました。というのは、ここまで絞り込みをした結果、発想力のある人間が力を発揮する場所がなくなってしまったのです。本来は選択と集中によって、極少数の生き残ったアイデアに優秀な人材と創造力が集中し、これが豊かに花開かなければいけません。しかし極端な選択と集中によって、アイデアが生まれる土壌すら枯れてしまい、生き残ったアイデアを膨らます補助的なアイデアも生まれない環境になってしまったのです。

大切なことは、勇気を持ってアイデアの絞り込みをしつつ、依然として様々なアイデアが涌き上がる環境を持続するでしょう。そのためにはアイデアやイノベーションが生まれる過程について十分に理解を深め、注意しながらバランスを保つことが重要だと思われます。アイデアがこんこんと涌き上がる環境を維持しつつ、適切な時期に適切な数までに絞り込みを行うことです。

さて、バイオの買物.comもそろそろアイデアの絞り込みをしないといけない時期に来ました。リソース不足でまともにサポートできない機能があり、それが放置されてしまっています。年内には大幅に見直す予定です。それについてはまたの機会にお話ししたいと思います。

アイデアが生まれる過程:600の思いつきから18の作品まで

Bob Suttonのブログに、良いアイデアを得るまでに必要な失敗作の数について、具体的な数字が書かれていました。

創造的なアイデアを作り出す人や組織が失敗を恐れず、日常の一部として捉えていることの例です。

紹介している例は1) おもちゃメーカーと 2)お笑い です。

1) おもちゃメーカー IDEO
1998年において、10人以下の社員が4,000のアイデアを生み出し、そのうち230はプロトタイプ化し、最終的に製品になったのは12個。

“You can’t get any good new ideas without having a lot of dumb, lousy, and crazy ones. Nobody in my business is very good at guessing which are a waste of time and which will be the next Furby.”

「新しくて良いアイデアを得るには、アホらしく、全くだめで、気違いじみたアイデアをたくさん出さなかればならないんだ。このビジネスでは、どのアイデアが時間の無駄で、どれが大成功するかを予測できる人はいないよ。」

2) お笑いニュース番組 The Onion
毎週のヘッドラインのネタ 18個を得るためには、普通600のネタを提案するそうです。この工程を紹介したポッドキャストもあります。
The Onionの白板はこんな感じだそうです。

僕自身はブレーンストーミングのファシリテーションをするときは、なるべく自分からばからしい提案をするようにします。自分が先に失敗をしてみせることによって、失敗しやすい雰囲気を作り出すのです。

日本のように上下関係をどうしても意識してしまうような文化圏では、上司の方から失敗してあげること大切です。変なプライドを持っている人だとできませんけどね。

生物とオブジェクト指向:Polymorphismについて

オブジェクト指向プログラミングのインスピレーションは生物学でした。ここまで言い切れるかどうかわかりませんが、かのAlan Kayは学部学生のときに生物学を勉強し、生物のコンセプトを頭に描いていたと自分で語っています

昨日、ふといろいろなブログを読んでいるときに、Windows 95のインタフェースデザインに関わった日本人、Nakajima Satoshi氏のブログに行き当たりました。題名は「日本語とオブジェクト指向」。日本語は語順的に、名詞(オブジェクト)を先に指定し、そのあとに動詞(メソッド、メッセージ)を指定する構造になっていることから、頭を使わなくてもしゃべりやすいという主旨だと思います。酔っぱらってもタクシーの運転手に道順を指定できるのは、日本語のオブジェクト指向のおかげという感じです。オブジェクト指向の中でも、これはPolymorphismというコンセプトです。

僕自身はこのブログの見解には必ずしも賛同しません。しかしPolymorphismの大きな効果が、「動詞」(プログラミングで言えばメソッド)のボキャブラリーを大幅に減らしたとしても、表現力を落とさないで済むことだというのには全く同感です。

そして高等な多細胞生物は、限られた種類のシグナリング分子、サイトカイン、ホルモンしか持たないにも関わらず、多様な機能をコントロールする必要がありますが、これができるのはこのPolymorphismのおかげだと私は感じています

僕がシグナル伝達を勉強していた頃(90年代)は、rasだとかMAPKのような少数のタンパク質が、多様なシグナルの伝達に関わっていることが明らかになってきていた頃です。どうして互いに全く関係なさそうなレセプターの下流に、同じrasやMAPKが関係してくるのであろうか。そんなことを不思議だなぁと議論していました。もっともほとんどの人は生物をシステム的に考えるのではなく、新しい遺伝子や新しい相互作用を発見することばかりに興味を持っていましたが。

ぼくは最近はちゃんと勉強していないので、これに対する一般的な考え方がどう変化したのかはわかりません。恐らく細胞の環境や分化状態が重要だという考え方に向かったと思います。しかしオブジェクト指向プログラミングのpolymorphismの考え方からすると、これは全然不思議なことではなく、省力化を考えればむしろ当たり前な手法を生物を採用したことがわかります。

生物学とプログラミングの関係についての、僕の意見の一つでした。

Barack Obamaの大統領としての資質

私はアメリカの大統領選挙をかなりこまめにフォローしています。インターネットを介して、CNN, Time, CBS, MSNBCの報道を見ています。

残念ながら、日本では「黒人として最初の大統領」であるとか、「最初の女性副大統領候補」だとか、全くどうでも良い報道ばかりが見られます。情けないです。

さて、今日はTimeのウェブサイトに掲載された”Why Barack Obama is Winning”という記事を紹介します。

この記事が真実であるならば、今後4年間もしくは8年間はアメリカ大統領は安泰です。なぜならBarack Obamaは自分と意見の異なる他人との対話の中から学習して、じっくり考えをまとめて、自分を成長させられる人間だからです。

本当は要点を日本語で書き上げたいのですが、残念ながら時間がありません。

一つだけ紹介します;

one of the benefits of running this 22-month gauntlet is that … you start realizing that what seems important or clever or in need of some dramatic moment a lot of times just needs reflection and care.

この22ヶ月間もの戦いの長所の一つはこうです。重要だとか適切だとかに見えることや、なにかドラマチックなアクションが必要に見えることであっても、たいていはそうではないと理解できるようになるのです。多くの場合は注意深くじっくり考えてから対応するだけで良いのです。

僕の前の上司の一人は、売上が下がるとすぐに「どうなっているんだ!アクションは!アクションは!」と騒いでいました。MBAを持っている割には、モノをじっくり考えて、分析する力がゼロの人でした。そういえばMinzbergは”Managers, not MBAs”という著書で、MBA教育の弊害として、即断即決の習慣を挙げていたような記憶があります。

ウェブサイト管理委託の失敗:それは最初から見えていた

僕が前の会社で作成したウェブサイトを、僕の退職を機に保守管理を外部委託して、そして1年後に様々な問題が噴出してしまっている件については、すでにブログに何回か書きました。

僕は自分で開発してしまうので、IT系の外部委託はあまり経験していないのですが、バイオの研究受託(研究者に依頼された研究を行う業務)を担当していた時期がありますので、外注の仕事の危なさは肌で知っているつもりです。製薬企業によっては結構えげつないところもあるので、本当にヤバいことになって、大変な思いをしたこともあります。

実はウェブサイトの保守管理を外部委託した1年前から、自分の経験と照らし合わせて、この外部委託は危険だと感じた点は何点かありました。ちなみに外注プロジェクトの失敗ポイントをシリーズ化したウェブサイトがありましたので、ぜひ読んでおくことをお薦めします。

これは失敗するなと思ったポイント;

  1. 向こうは赤字プロジェクトのつもりでいました。僕が所属していた会社は600人規模の結構大きな会社でしたので、担当の営業は、目の前のプロジェクトをまとめることよりも、その先の商機に興味を持っていました。
  2. 現状のシステムについてのヒアリングをしないうちから見積書が出てきました。その見積書は当然ながら、猛烈におおざっぱなものでした。しかも見積もり金額は、われわれがなんとなしに話した予算とぴったり一致していました。あやし〜〜〜。もっとひどいことに、要求仕様書を書いて渡しておいたにもかかわらず、それを読んだ気配すらありませんでした。
  3. 当然ながら、契約も非常におおざっぱでした。
  4. 我々の技術力は非常に不足していました。僕はウェブ開発ができましたが、僕以外にウェブ技術に詳しい人は誰もいませんでした。したがって僕が退社すれば丸投げ状態になってしまいます。プロジェクトの進捗を理解できるだけの技術力がありませんでした。
  5. マイルストーンが決まっていませんでした。管理を委託するというだけで、それが具体的にどのような作業を指すのか、そして各作業がどのようなスケジュールで行われるべきかが決まっていませんでした。
  6. 契約後に一回担当者と電話で話をしましたが、僕が書いたソースコードをほとんど見ないうちから、僕にいろいろ相談していました。しかもちょっときつく言ったら、もう二度と電話してきませんでした。全く骨のない奴でした。

これは失敗するなと思いながらも、僕自身は1月もすれば退社する身分でしたので、事を荒立てても後始末ができるわけでもなく、できるだけ引き継ぎをがんばるしかありませんでした。僕には外注先を選定する際に意見する権限は無く、外注先の管理は他部署が担当することになっていました。

しかし、やはり1.と2.に関係するのですが、僕が引き継ごうとしても、向こうは内容を理解することにあまり熱心ではありませんでした。

かくして、当然の帰結としてウェブサイト管理委託は大変なことになってしまったのでした。

思ったよりもひどかった委託先の仕事

以前に勤めていた会社のIT部門からまた連絡がありました。僕が作ったウェブサイトの管理を委託していた会社が、実はもっとひどいこともしていたらしいのです。これも完全な手抜き。

僕自身はITは外部に委託するよりも自分で作ってしまうので直接は知りませんが、外部委託している様子を何回か横から見ていたことはあります。今回のケースを含めていずれも失敗です。

  • PriceWaterHouse Coopersに社内のITインフラ構築を委託した例:どうもこれは担当部長の以前のコネクションで決まった話だったらしいのですが、数千万円と半年以上をかけたあげく、成果物はLotus Notesを会社のパソコンとサーバにインストールするだけだったという、本当にびっくり仰天の、嘘のような本当の話。担当者は毎日うちの会社に来ていましたが、どうも他の仕事をしていたらしい。
  • 今回の話第一弾:僕が作ったウェブサイトのPHPのプログラムを、PHP4からPHP5に移植する際に、オブジェクトキャッシュをオフにしてしまった話。オブジェクトキャッシュのコードがPHP5と相性が悪かったので、消しちゃったのです。それでサーバへの負担が(当然)重くなって、断続的に動かなくなりました。会社名は出しませんが、それなりに名の知れた会社らしいです。
  • 今回の話第二弾:僕が作ったウェブサイトの管理を委託していた会社が、予防的な管理を全くしなかったために問題が発生したという話。これ以上紹介すると危険なので、ここまでにとどめておきますが、本当に情けない話です。

もっと関わりが薄かったものまで含めれば、まだまだあります。

いずれもクライアントの技術力不足、管理能力不足が大きな原因であるとはいえ、もうちょっと何とかならないかなと思います。こう失敗が多いと、小さい会社などは怖くて最新のIT技術を導入できません。日本の企業のITは遅れているとときどき聞きますが、この状況ではそれも仕方ないでしょう。

もちろんちゃんとしたソフトハウスが多いのも事実だと思います。でもどれがちゃんとしていて、どれが駄目なのかは素人目にはわかりません。実績を見ても何の指標にもならないので、なおさらです。

弁護士や弁理士、医者とか建築士だと免許制ですよね。その他にも免許制の仕事はたくさんあります。免許制にすればいいってものではありませんけれども、IT受託も免許制にしたら良いのではないでしょうか。

日本国が世界での競争力を維持するためには、政府が何らかの形でIT業界の品質向上に手を打っていくべきだと思います。

不況でも良いものは売れる:アップル社の業績発表

アップル社が2008年7-9月の業績発表をしました。

アップル社の製品は品質をケチらず、比較的高価なものが多いので、不況の中で今ひとつ売り上げが伸びないのではないかという憶測がありました。しかしふたを開けてみると、Macで21%増(出荷台数ベース)、全売上で35%増という数字でした。

iPhoneはRIMのBlackberryよりも出荷台数で上回りました(日本にいるだけだとわかりませんが、海外のビジネスマンは総じてBlackberryを持っていて、すごく流行っています)。売上ではNokiaの1270億ドル、Samsungの590億ドルに次いで、460億ドルで世界第3位になったという話でした。結構すごいことだと思います。

ちなみに販売台数でいうと、Samsungは2005年時点で日本最大手のNECの10倍以上売っていたようです。

普通に高級な製品というのは、品質や機能の分だけ価格が高い製品で、実際には極めて平凡な製品です。アップル社が作る高価な製品というのは、MacにしてもiPhoneにしても、そしてiPodにしても、価格の上乗せ以上に魅力があるのでしょうね。

そしてこのような製品は不況の影響を受けず、他の高級品が売れない中でも売れ続けるのですね。

でもこれが作れるようになるためには、独自の研究開発がとても重要でしょう。アップル社のCEOのSteve Jobsは、不況のときこそ研究開発に注力し、景気が改善したときには競合に大きく差をつけている状態にするのだと、昔も言いましたし、いまも言っています。

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