AmazonのAndroidタブレット Kindle のビジネスモデルは甘いんじゃない?

110929 kindle fire

アップデート
関連する新しい記事「Amazon Kindle FireがAndroidのイノベーションを阻害する理由」もご覧ください。

Amazon CEO Jeff Bezos 氏は、Android ベースのタブレット「Kindle」を驚異的な低価格で発売すると発表したそうです。

最も安い読書専用の端末の価格はわずか79ドル。その他のモデルも思い切った低価格に設定されている。Kindle Touch は99ドル、Kindle Touch 3G が149ドル。最上位モデルのKindle Fire でさえたったの199ドルだ。これは、Apple iPad 2 の最も安いモデルより、さらに290ドル安い。

しかしAmazonの狙いはハードを赤字で売ってソフト(電子書籍や映画などAmazon.com サイトからダウンロードするコンテンツ)で儲けることだという指摘があります。

古典的な手法です。

有名なのは安全剃刀(ホルダーを安く売って、替え刃で儲ける)、コピー機(コピー機を安く売って、トナーで儲ける)、プリンタ(プリンタを安く売って、インクで儲ける)、プレステ(ハードを安く売って、ソフトで儲ける)などです。

でもうまく行くとは限りません。残念ながらマーケティングの本で紹介されるのは成功例ばかりで失敗例が少なく、あまり有名な失敗例はありません。

でも例えばリアルタイムPCR装置等はその例と言えるでしょう。価格競争が激しい為に価格はどんどん下がって、ハード単体では利益がほとんどでないところまで値段が下がってきています。そこを試薬の利益でカバーしようとしましたが、賢い顧客はABIやロシュの試薬を買わずにキアゲンやタカラバイオの安くて高品質な試薬にどんどん切り替えました。

以下では、成功例と失敗例を分けるのは何か、この仕組みが成功するための条件は何かを考えます。そしてAmazon Kindle Fireが成功するかどうかを予想してみようと思います。 Continue reading AmazonのAndroidタブレット Kindle のビジネスモデルは甘いんじゃない?

高校生のインターネット利用の調査結果について

2011年8月22日にリクルートが高校生のWEB利用状況の実態調査結果を発表したそうです。

  1. 全調査データ

僕は常々、未来を予測するには若い人が育っている環境を見るのがベストだと考えています。ですからとても興味があります。

いろいろ思うことはあるのですが、特にスマートフォンの普及率が興味深いです。高校生のスマートフォン普及率は既に14.9%に達しているそうです。それに呼応するかのように、mixi (23.4%)よりもTwitter (34.0%)の方がすでに利用率が高くなっているとのことです。Facebook (12.7%)も決して少ない数字ではないです。これは驚きでした。

Mixiなどの日本のウェブ産業の多くが携帯電話ビジネスにシフトしていくという話を僕も2009年にブログで紹介しました。その戦略の根幹にあるのは携帯電話のハードウェア上の制限であると結論し、その戦略の危険性について語りました。それが早くも現実化していると感じます。

ITハードウェアの進歩の速度をうまく予見するムーアの法則が知られていますが、iPhoneに代表されるスマートフォンはいまのところこれを遥かにしのぐスピードで進歩しています。そのことを常に意識する必要があります。

スマートフォンの普及によって日本の携帯電話市場を海外メーカーがほぼ独占するようになる時代がくることは十分に予想でき、すでに進行しつつあります。少し遅れて携帯電話の上で利用されるウェブサービスについても、PC上のサービスでしのぎを削ってきた海外のサービスが、日本のサービスを一気に飲み込んでしまうでしょう。

話をバイオに転じると、シーケンサーの進歩もまたムーアの法則をしのぐ猛烈な勢いを見せています。これがライフサイエンス全体にどのような影響をもたらすか、興味が尽きません。

学会にソーシャルをどうやったら持ち込めるか

久しぶりに分子生物学会に一般会員として参加することになり、思い出したのが昔の重たい要旨集。昔はあれをそのまま担いだり、あるいは人によっては一部を切り取ったりして歩き回っていました。聞きたいフォーラムや見たいポスターのところはポストイットを貼って、それでもすぐには確認したいものが見つからずに苦労していました。

「今はどうなっているのだろうか?」「オンラインになって便利になったのだろうか?」

そういうことを思いながらいろいろ調べみました。その中で面白いと思ったのは「マイスケジュール」とか「Myスケジュール」とか呼ばれるものがここ数年で普及し始めていることです。医者向けの学会を中心に、基礎系の学会でも昨年頃から取り入れられているようです。

  1. SESAのシステムのデモ
  2. 2010年日本外科学会のもの(誰でも登録可能)
  3. 学会支援システム東海大学医学部小見山准教授、コンベンション静岡、株式会社トライテックが共同開発したiPhone, iPad用システムです
  4. 日本霊長類学会のiPhone, iPad版上の学会支援システムを利用

また2010年の分子生物学会・生物化学学会の合同大会でも「マイスケジュール」システムが導入され(現在はオンラインになっていません)、学会アンケートの自由回答欄(「スケジュール」や「schedule」の語句を探してください)でも概ね好評だったようです。まだ改善するべき点はたくさんあるようですが。

僕はまだ「マイスケジュール」を本格的に使ったことが無く、今回の分子生物学会が初めてになります。とても便利そうなので楽しみです。

それはそれとして、今回のブログではより一歩先を考えたいと思います。

インターネットのソーシャルメディアを活用した学会の将来像です。 Continue reading 学会にソーシャルをどうやったら持ち込めるか