バイオのウェブサイトのビジターあたり売上げはどんなもんだろうか

以前に「ウェブサイトへのアクセスと売上げの関係」のブログ記事を書きましたが、そこで僕が出した結論は、試薬メーカーのウェブ訪問者数と売上げが驚くほどに相関しているということでした。

もちろん相関があるという言っているだけで、因果関係があるかどうかは全く別です。ウェブ訪問者数と売上げがよく相関していると言っても、ウェブサイトに訪問したから売上げが増えている側面はあるでしょうが、同時に製品が良く売れているからウェブサイトの人気があるという側面もあります。恐らくはこの2つの側面が両方ともに絡み合っていて、その結果としてこのような良い相関が見られるのだと思います。

webvisitors vs revenue.png

さてこのグラフを見ると、ビジターあたりの売上げを計算することができます。このグラフを見ると、大雑把に年間100億円のあるメーカーは60,000ユニークビジター/月があると言えそうです(これはビジターの効果を一番低く見積もった線ですが)。この数値を使うと {100億円 / 12 (月間売上げ)} / 60,000 (ユニークビジター) = 1.38 万円/ユニークビジター になります。つまり、月間ユニークビジターあたり1.38万円の売上があることになります。

ビジターあたり1.38万円の売上ってすごいですよね?

なんだかとても高い数字です。ライフサイエンス研究支援の試薬の単価が高く、低く見積もっても一品が平均2万円ぐらいだというのは確かにあります。またウェブを見ないで製品を購入しているケースもそれなりにあるはずです(繰り返し同じものを買うとき等)。

ビジター数についてもちょっと考えてみたいと思います。例えば年間で20億円の売上を出している中堅メーカーであり、平均単価が2万円だとすると、年間で10万製品を出荷していることになります。毎月8,300製品を出荷していることになります。先ほどの相関ですと年間20億の売上げのメーカーのウェブサイトは毎月12,000のユニークビジターがいることになりますので、ウェブサイトのユニークビジター数と出荷製品数はだいたい同じ程度と言うことになります。この数字だけでは因果関係が出てきませんのではっきりしたことは言い難いのですが、製品の購入とウェブサイトへのアクセスはやはりかなり関係がありそうな雰囲気です。

なお毎月8,300製品の出荷というのはかなり少なく、平均的なコンビニに大きく負けています。コンビニの顧客単価は¥600弱らしいので、平均日販を60万円とすると毎日1,000人、月間で30,000人に物を売っていることになります。同じ土俵で語ることではないのですが、いまだにメーカーと代理店が注文伝票をFAXでやり取りしていられるのも(そう、電子化されていないのがまだほとんどです)、そもそも取り扱っている数が少ないからです。

いまのところバイオの買物.comを経由して、毎月数千のビジターがメーカーのウェブサイトを訪問しています。仮に5,000のビジターを誘導していると計算し、先ほどの1.38万円をかけ算すると、バイオの買物.comで月間6,900万円の売上貢献をしていることになります。ものすごい我田引水的な計算で恐縮ですが。

まぁ実際のところ、まだその1/100も稼いでいないのですが、将来的にちゃんとしたビジネスが構築できるのではないかという勇気がわいてくる計算です。

ちなみに最近のインターネットで話題になっているSNSのMixiやGREEやモバゲー。これらは様々な形で収入を得ていますが、会員あたりの月間売上げは¥63-¥256のようです。なんだか1会員あたり1,000PVしているという計算になっているのですが、これもすごいですね。同じインターネットでの商売だし、何かのインスピレーションにならないかなと思ったりもするのですが、やっぱりバイオの買物.comがやろうとしていることとはとても比較できないと痛感します。アクセス数はもちろん何桁も違いますが、アクセスあたりの価値もライフサイエンスの場合は桁違いに大きい気がします。

ライフサイエンス分野での携帯ねたの続き

まだ気になって、考えてしまっています。他の仕事をしないといけないのにもかかわらず。このブログを書いて、区切りにしようと思います。

そもそも、どうしてもこんなに気になってしまうのだろうとも考えてしまいます。おそらくは、携帯電話の使い方については世代間や性別間のギャップがありすぎるからだと思います。いろいろな意味で中年の僕にとって、携帯サイトというのは実感として全く理解できない世界なのです。携帯サイトについて勉強したり人に聞いたりしても、自分の実感に照らし合わせたとき腑に落ちないのです。ですからいつまでも成仏できない幽霊のように、僕の頭の中で考えがさまよっているのでしょう。

勉強してみた結果、考える上で大切だと思えるポイントがいくつかありました。

くつろぎの時間に使われることが多い

佐野正弘さんという方がMarkeZineに掲載している記事が非常に参考になりました。まずは携帯が使用されるのは移動中よりも自宅がメインという記事です。もう、実はここから既に僕の実感とデータが乖離してしまっています。PCサイトヘビーユーザについては移動中に携帯電話を使用することが多いということなのですが、逆にPCサイトのライトユーザでは自宅でくつろいでいる時間、特にテレビを見ているときに使うことが多いというのです。しかもテレビで見た製品を、直感的に、一点買いすることが多いというのです。

これをライフサイエンスのマーケティングに当てはめますと、以下のことが言えるかと思います。

「キャンペーンのチラシにはQRコードをつけて、携帯サイトと連動させた方が良い」

どういうことかと言いますと、メーカーが研究者にまき散らしている(もとい、配布している)チラシはお茶机付近においてあって、休憩でお茶を飲むときにチラチラ見ることが多いかと思います。これは研究室にいるとはいえ、家でテレビの前でくつろいでいる状態に少しは近い場面です。もちろんチラシには十分に内容を書いているつもりかもしれませんが、QRコードをチラシにつけて、追加の情報を携帯サイトから見られるようにすると面白いかもしれません。

最低でも、レスポンスがどれぐらいあったかを把握することはできるでしょう。PCのサイトはチラシを配布しなくても訪問者が多く、効果測定をする目的ではノイズが高くなってしまいます。またチラシを見た人がわざわざ自分のデスクに移動してURLを打ち込むことに比べれば、QRコードを読み取る操作は簡単です。ですから高いS/N比でチラシの効果を測定できると僕は思います。

じっくり調べるより、思ったときにすぐに決める

これも佐野正弘さんの同じ記事に書いてあった内容ですが、PCのショッピングサイトの場合はまとめて5商品を購入する利用者が多いのに対して、携帯サイトの場合は1, 2商品が圧倒的に多いそうです。また、思い立ったときにすぐに起動できるという特徴も大きいと佐野さんは述べています。そういった特性を考えると、高額の商品を買ってもらうよりも、既存顧客のファン意識を高めるために利用するのが良いとも述べています。

ということは、製品を購入してもらうよりはもうちょっとユルいことに向いていると考えていいかもしれません。

例えばメルマガへの登録というアクション、セミナー参加というアクション、資料請求というアクションなどは無料でできるものばかりなので、潜在顧客が思いつきでやれてしまうものです。携帯サイトはこういうことに強みを発揮するのかもしれません。そしてアクションを起こしてもらうきっかけとして、キャンペーンチラシにQRコードをつければ良いのだろうと思います。

つまりマーケティングの流れとしては、1) キャンペーンチラシに、対象商品説明とは別に、資料請求やセミナー、メルマガ登録をするためのQRコードを載せておきます 2) こうやって、潜在顧客との関係をリフレッシュします 3) その関係を維持拡大し、将来の購買につなげます。

まとめ

画面が小さくて情報が載せられないなど、一見すると研究者向けのマーケティングにあまり活用できなさそうな携帯サイトではあります。しかし、まだ全く開拓されていないアイデアが多いような気もしてきました。

携帯サイトが活用されていけば、研究者がくつろいでいる時間に企業と顧客の関係作りがされていくようになるかもしれません。それができれば、とても良い方向だと思います。

JPGという読者投票型写真雑誌がつぶれたそうです

僕は全然フォローしていませんでしたがJPGという読者投票型写真雑誌が1月5日をもってつぶれるそうです。

これに対して、Robert ScobleというMicrosoft出身のIT評論家がブログを書いています。

そのブログの中には、バイオの買物.comを含め、インターネット広告で食っていこうというウェブサイトすべてにとって重要な教訓が記されています。

以下の状態ならまずいよって結論をしています。

  1. ユーザ層が新しいもの好きの人ばかり。
  2. 広告主に対して伝えられる、明確なユーザ層がいない。単に写真好きを集めたというのでは、十分じゃない。
  3. 製品を買おうと思っているユーザを集めていない。例えば良い写真雑誌のほとんどは、表紙に作品を飾らず、カメラ機材を表紙にしている。そうしていないのなら、道は険しい。
  4. 広告主がユーザとコミュニケーションする方法を提供していない。
  5. 棚スペースが得られていない。ユーザが目にしやすい場所にウェブサイトがプロモーションされてなくて、十分なユーザ数が集まらない。

バイオの買物.comならこのうちの半分ぐらいは何とかなりそうなところに来ています。残りの半分は2009年の課題です。

価格.comの記事

バイオの買物.comがビジネスモデルとして最も参考にしているのは価格.comですが、カカクコム経営企画部広報室長との取材を通して、詳細に紹介している記事がありました (無料登録が必要)。

例によって、僕が感じたポイントを紹介します。

収益モデルその1:小売りサイトへの集客 (Pay Per Click)

価格.comのウェブサイトから、小売業者のウェブサイトへのリンクをユーザがクリックしたときに料金が発生する仕組みです。そのユーザが実際に購入したかどうかは関係ありません。

ちなみに、このモデルにおける事業者の対象は家電製品などを販売する店舗が多く、事業者は商品登録せずにカカクコム側が登録した商品マスターに対して価格登録(入札)する形式になっているのが特徴である(商品マスター自体は、価格.com側が人海戦術で登録しているとのことであり驚きの事実である!)

平成21年3月期 第1四半期決算短信においては売上高は485百万円でした。

バイオの買物.comが現在、抗体検索サイトで運用しているのはまさにこのタイプの広告です。

収益モデルその2:コミッション (Pay Per Performance)

価格.comのウェブサイトから小売業者のウェブサイトにユーザが移動し、実際に製品を購入したときに料金が発生する仕組みです。ユーザが小売業者のウェブサイトに行くだけでなく、実際に購入したときにのみ料金が発生します。

平成21年3月期 第1四半期決算短信においては売上高は752百万円でした。

実際に売り上げの数字を見てもわかりますように、Pay Per Clickよりはこっちの方が広告主にとっては魅力的な広告スキームです。しかし日本のバイオの業界ではインターネット直販がまだほとんど行われていませんので、残念ながらまだこのシステムは使えません。

収益モデルその3:バナー広告などディスプレイ広告

価格.com創業時からの広告モデルです。

平成21年3月期 第1四半期決算短信においては売上高は552百万円でした。

こちらは仕組みは簡単なのですが、広告主にしてみれば効果が見えにくいという欠点があります。また実際に計測してみると、あまり効果がないように見えることも多々あります。売上高としては大きな数字になっていますが、価格.comが深く関係した価格.COM 賢者の買い物という本を読むと、実際にはこの広告システム単独ではそれほどうまくいかなかったようです。というのも、この広告を出していなくても、価格.comではどっちみち最安値の販売店をリストしてくれていたからです。

そこで価格.comがやったのは、広告を掲載してくれなかった小売店は、たとえ価格が最安値であっても、ときどき掲載をしなかったりすることだったそうです。逆に広告を掲載していれば、確実に掲載してあげるようにしていたとのことです。

こういうバナーが大きく効果を上げるためには、そもそものマーケティングプロジェクトが非常に魅力的である必要があります。価格.comでは「少数精鋭の営業要員で直接契約をとっている」とのことですが、そうやって絞った活動をしないとなかなかよい成果が出せないだろうと思います。

バイオの買物.comではまだこのタイプの広告は実施していませんが、検討中です。

収益モデルその4:マーケディングデータの提供

価格.comの集積される口コミ情報などをもとに、メーカーやシンクタンクに情報を提供するサービス。

平成21年3月期 第1四半期決算短信においては売上高は86百万円でした。

日本のバイオの業界ではシンクタンクなどによる情報はあるにはありますが、基本的には全く信用できません。その結果、メーカーはマーケティングのための情報が無くて困っています。そういう意味で、このようなマーケティングデータというのは日本のバイオ業界では重宝されるはずです。

バイオの買物.comでは、これを実施するための準備を行っています。

まとめ

商品マスター自体は、価格.com側が人海戦術で登録しているとのことであり驚きの事実である!

というのがありましたが、このような仕組みだとメーカーや小売業者がただ乗りできてしまい、うまく収益が上がらないのではないかと考えがちです。

価格.comの例は、実際にはそうではなく、むしろこっちの方が儲かることを示しています。もちろん最初に無償で情報を掲載していくという大きな初期投資が必要ですが、それがかえって参入障壁にもなり、永続的な利益の源泉になります。またその初期投資は金銭的なものではなく、人海戦術的なものなので、「がんばり」と「工夫」でなんとかできるところでもあります。

少なくともバイオの買物.comではそうと信じて、すべての製品を載せることにより、将来的にはBioCompareよりも良い製品比較サイトを作り上げたいと思っています。

検索フォームはGETにするべきかPOSTにするべきか

GETの利点と言えば、

  1. 検索結果をブックマークしたり、URLをコピーしたり、リンクを作ったりできます。POSTを使っている場合は、検索トップページにしか移動できません。
  2. アクセスログにクエリーが保存されますので、どのような条件で検索されたかを後で分析することができます
  3. GETはプロキシサーバでキャッシュされますので(キャッシュが恩になっていれば)、サーバへの負担が減らせます

ということで僕は圧倒的にGETにするべきだと思いますが、世の中のウェブサイトを見ると、POSTを使っているウェブサイトがかなり多いです。

W3Cでも

  • Use GET if:
    • The interaction is more like a question (i.e., it is
      a safe operation such as a query, read operation, or lookup).
  • Use POST if:
    • The interaction is more like an order, or
    • The interaction changes the state of the resource in a way that
      the user would perceive (e.g., a subscription to a service), or
    • The user be held accountable for the results of the interaction.

となっていますので、GETを使った方がいいと思いますが。GoogleやYahooもGETを使っています。

ということで、皆さんにお聞きしたいのですが。
POSTを使った方が良いというケースはどのようなケースでしょうか?

ちなみにバイオのウェブサイトで調べてみました。

GET派

POST派

ごちゃ混ぜ派

  • BioCompareのAntibody SearchここはほとんどのパラメータはGETで送っていますが、メーカーごとの絞り込みをするとき、そこだけはPOSTになります。

抗体検索, バイオの買物.comの広告のコンセプト その1

グーグルのネット広告が堅調で、不景気にも関わらず7-9月期決算で売上31%増、利益が26%増の増収増益であったことが報じられました(asahi.com)。

どうしてでしょうか。

サブプライム問題に端を発した金融不安は消費者の購買意欲にも大きな影響を与えており、自動車メーカーなどでは対米販売が数十%低下するという異常事態になっています。これほど極端ではないにせよ、他の製品も落ち込んでいます。この極めてネガティブな状況にも関わらず、グーグルのネット広告が好調なのはなぜでしょう。

僕がマーケティング部門に入って始めての頃、当時の外国人の上司は、modern advertisingの父と呼ばれている John Wanamaker の有名な言葉を紹介してくれました。

“Half the money I spend on advertising is wasted; the trouble is I don’t know which half.” (私が使っている広告費の半分は無駄だっているのはわかっている。問題は、どの半分が無駄かがわからないことだ)

グーグルのネット広告システムはこのJohn Wanamakerの悩みに対して、非常に優れたソリューションを提供しているように思います。

グーグルはAdwordsという広告システムを提供していますが、これを利用する広告主は、1) この広告が何回表示されたか、2) この広告をクリックした人が何人いたか、3) この広告をクリックして広告主のウェブサイトを訪問した顧客はどれぐらい興味を持っていたか、4) この広告をクリックした顧客は実際に購入してくれたか、を知ることができます。

このためには広告を表示するだけでなく、その広告をクリックした顧客の行動を追跡するための様々な解析ツールも提供しています。

広告主は広告の文言をリアルタイムで変更できるのはもちろんのこと、広告がどういうときに表示されるかもコントロールできます。解析ツールから得られる分析結果を見ながら、広告の出し方を少しずつ帰ることができます。こうやって、どのような広告をどのようなときに表示すればどれぐらい効果があるかを知ることができます。John Wanamakerの悩みは有効な広告と無駄な広告が見分けられないということでした。グーグルのシステムを利用すれば、この見分けが簡単につくのです。

有効な広告と無駄な広告の見分けがつくということは、不況のときこそ重要になります。

以前にこのブログでイギリスのインターネット広告について書いたときも、インターネット広告ではお金がどこに使われているかが正確に把握できるため、予算削減の対象になりにくいと紹介しました。

さてバイオの買物.comの広告はどうでしょうか?

バイオの買物.comでは、抗体検索に連動して、スポンサーの抗体を優先的に表示する仕組みを作っています。例えば“CD4″で検索をすると、まず最初にスポンサーのBioLegend社とMillipore社の抗体が表示されます。そしてここに表示されている抗体だけで不十分であれば、ワンクリックでBioCompareにアクセスして、同じ条件でBioCompareのデータベースから抗体を探すことができます。

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この広告システムは様々な点でグーグルを真似ています。

完全な成果報酬型

まず、この広告システムは完全な成功報酬型です。セットアップ費用も月額の固定料金もありません。表示される抗体をクリック(下図の製品名のリンクをクリック)して、広告主のウェブサイトに飛ぶときに始めて費用が発生します。いわゆるCost-Per-Clickのモデルで、グーグルの仕組みと同じです。実際の広告の効果に応じて費用が発生しますので、無駄な広告費が発生しにくい仕組みです。

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クリック数のレポート

クリック数のレポートは下図のようになっています。

一番左の列は年月日、その右が課金対象のクリック数です。そして左から3列目はセッション数です。セッションというのは訪問者数とほぼ同じで、一人の訪問者が複数回クリックすることがありますので、クリック数>セッション数になります。また自動的にCost-Per-Clickで料金を計算したのが右から2列目になります。Cost-Per-Clickは従量的に単価が安くなります。ここで表示している例ではクリック数が少ないので単価が高いのですが、クリック数が多くなると最初と比べて約1/3のCost-Per-Clickにまで下がります。一番右の列は、最後のクリックがあった時間です。多くの研究者は実験が終わって、夜に試薬のリサーチをしているようで、かなり遅い時間でも大学からクリックが発生したりします。

なお、無駄なクリックに対してはなるべく課金しないようにするために、休日,祝日のクリックは課金しないようにしています。

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ユーザについてのレポート

クリックしてくれた顧客がどのような顧客だったのか、何に興味を持っていたのかを知ってもらうためのレポートも用意しています。顧客がどこから来たか、具体的に何を探していたのかを知ることができますので、無駄な広告費用を支払っていないという安心感があります。

なお、例えば自社からのアクセスでクリックが発生したり、競合他社からのアクセスでクリックが発生した場合はこれを報酬から除外するようにしています。こんなクリックにお金を支払うのは頭に来ますよね。

ピクチャ 1.png

今後の方向性

バイオの買物.comでは引き続き完全報酬型の広告システムを採用します。Cost-Per-Clickの他に、画面に表示された回数に応じて課金するCost-Per-Impressionというシステムも採用するかもしれません。

それ以上に大切に考えているのは、ユーザについてのレポートです。多くの広告は「やりっ放し」になりやすいのですが、本来、広告というのはもっとインタラクティブになる可能性を秘めていると考えています。

広告に対する感受性を見ることによって、広告主は顧客のニーズを理解することができます。抗体であればどのような抗原にニーズがシフトしているか、どのような標識が人気があるか。また複数のスポンサーが表示されたときにどのメーカーがクリックされるかを見ることによって、どのメーカーが高いブランド力を持っているかを分析できます。

そういったことがしやすいようにレポートをだんだんと充実させ、John Wanamakerの悩みを解決するだけでなく、それ以上のレベルのマーケティングツールとして活用できるような仕組みを提供していきたいと考えています。

ロングテールでは知ってもらうことが大切 : iTunes 8 のGeniusプレイリスト

Amazon.comのビジネスモデルの説明として、「ロングテール効果」が紹介されています。全売上の80%は上位20%品目がもたらしているという観測(パレートの法則)から、多くの経営者は上位20%品目に重点を置き、下位80%の製品を軽視する傾向が強くなります(特に大企業では目に余ることが多い)。それに対してAmazon.comなどのオンラインショップは、この下位80%をビジネスに組み込むことに成功しており、Amazon.comの売上の中で重要な位置を占めるようになっています。

バイオの研究用試薬機器のマーケティングにおいては、このロングテールはとても重要なコンセプトです。2,000億円程度の市場に200万以上の製品がひしめく、超少量多品種市場だからです(単純に平均すると1品目は10万円しか売れていない)。

ロングテールを可能にしているのは様々なインターネット技術と物流革命ですが、本日発表されたiTunes 8のGeniusプレイリストもその一つと言えると思います。iTunesユーザからの情報を集積して、関連性のある曲、一緒に聴くと楽しい曲をまとめてくれるのです。iTunes Music Storeにある曲も紹介してくれます。

とりあえずは、面倒くさくてほとんど整理していない自分の音楽コレクションを、全く新しい感じで聴くことができるので、とても楽しんでいます。

バイオでも何か似たようなことができないか。またまた刺激されてしまいました。できたら結構すごいと思います。

ポイントは、普段だったら知ることない製品でも、「これはあなたの趣向にぴったりです。あなたが使っているものと似ていて、ちょっと拡張したものですよ。」と伝えること。全く新しいものに取っ付くには時間がかかりますが、いままで使っていたものとの関連で説明されると早く納得してくれますので。

ウェブサイトでの調査が、店舗での購入に与える影響

ある製品を買うときに、まずウェブサイトで下調べし、実際には店舗で買うことがよくあります。
でも、ウェブサイトの善し悪しがどれだけ貢献しているかはなかなかわかりません。

バイオの場合はオンラインで試薬や機器を購入するのではなく、ほぼ100%代理店を介して購入しますから、まさにこのパターンです。

今回は、お客様がウェブサイトで下調べすることが、実際の店舗での購入にどれだけ影響しているかについて、いくつかの記事を紹介します。

Measuring the Offline Impact of an Online Visit

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解説:1) 店舗で購入した人の53%は、ウェブで下調べしたときに一番良く見た販売店から購入した。2) 店舗で購入した人の80%は、ウェブで下調べしたときに一番最初に見た販売店から購入した。

なお、実際に店舗を訪れた人のうち64%はウェブで下調べをしていたこと、さらにウェブで下調べした人の50%は、実際に店舗も訪れたというデータも得ているそうです。

Pinpointing the Value of Multi-Channel Behavior

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これは購入前に、顧客はどのように下調べを行うかを調査したものです。それを店舗で購入した顧客とオンラインで購入した顧客で分けて分析しています。

店舗で購入した顧客でも31%がメーカーのウェブサイトを訪問し、さらに28%が製品比較サイトなどを利用したという結果になっています。さらに38%の顧客は製品を取り扱っている販売店のウェブサイトを訪問しています。

The Online and In-Store Crossover Conundrum: Pinpointing the Value of Multi-channel Behavior

これは店舗とウェブの補完的で相乗的な関係について述べています。さらに上述のブログをまとめています。

Like peanut butter and jelly, cookies and milk, or bread and butter, some combinations are just meant to go together. Such is the case when you link “high-consideration” categories like consumer electronics with online shopping. Arming the consumer with enough product information to make an instant expert, the Internet not only quenches the thirst for knowledge, but it satisfies the desire to buy too.
ピーナッツバターとジャム、クッキーと牛乳、パンとバターのように、完璧にうまくいく組み合わせというものがあります。家庭用電子機器のような”high-consideration”カテゴリー(購入前に十分検討するカテゴリー)とオンラインショッピングの組み合わせはまさにそのようなものです。専門家になれるぐらいの知識を消費者に与えることによって、インターネットは知識欲を満たすだけでなく、購買欲も満たしてくれるのです。

On the other hand, “low-consideration” categories, such as consumable products like pet food, do not hold the same online purchasing appeal.
一方で、ペッドフードなどの一般消費財のような”low-consideration”カテゴリー(購入前にあまり検討しないカテゴリー)では、オンラインでの購入の魅力はあまりありません。

感想

バイオの製品は “high-consideration”カテゴリーに含まれるものが多いので、オンラインショッピングには本来的には向いています。しかし、現実には代理店を介してオフラインで購入することがほとんどです。

“high-consideration”カテゴリーではウェブサイトでの調査はとても重要だと顧客は考えています。そしてウェブサイトを充実させることが、オフラインの購入を大きく促進することになります。

さらにウェブサイトがまぁまぁいいというレベルでは駄目だということです。既に当該製品分野でのブランドイメージも大切ですが、Googleなどで高い位置にリストアップされること、そして一番最初に見てもらえるぐらいに充実していることがとても大切です。

バイオ百科で抗体検索:僕が使いにくいと感じるところ

以前のブログで、バイオ百科の抗体検索が使いにくいとお話しました。

僕もいちおう科学者の端くれですので、方法および結果をちゃんと紹介し、皆様も追試できるようにしました。実際に僕が問題にぶち当たっているところをビデオにしましたので、ご覧ください。

インターネットで抗体を探す方法:抗体検索サイト vs. Google

理想の抗体検索システムを追求した新「まとめて抗体検索」サービスを始めましたので、ぜひご利用ください。

またこの記事を含め、ライフサイエンス研究用製品メーカーのウェブサイトのあるべき姿について書いた記事を特集ページにまとめました。あわせてご覧ください。

あなたは抗体を探すとき、抗体検索サイトに行きますか?それともGoogleでダイレクトに検索しますか?

日本国内の抗体検索サイトについては以前のブログで紹介しましたが、今回は抗体検索サイトを利用せずに、ダイレクトにGoogleで検索する方法について話したいと思います。

ここでいうGoogleで検索する方法というのは、つまり “CD4 抗体”もしくは”CD4 antibody”のキーワードでGoogleすることを指します。

面白いことに、コスモバイオのウェブサイトなどをを利用して抗体を検索するのと、Googleで直接検索するのとでは、全く異なるのです。例えば “CD4 抗体”でGoogle検索すると、Beckman CoulterのサイトやMiltenyi Biotechのサイトは出てくるのですが、コスモバイオのサイトはやっと3ページ目に、あまり関係がないと思われる「Tregマーカー 細胞表面にある4型葉酸受容体抗体:コスモ・バイオ」というページが出てくるだけです。コスモバイオが取り扱っているCD4 抗体のページは出てこないのです。

どうしてそうなってしまうのかという技術的な問題については、後で機会があれば詳細に解説したいと思います。今日はとりあえず、Googleで直接検索する人がどれぐらいいるのかを分析したいと思います。利用するのはAdwordsのキーワードツールです(Adwordsアカウントがないと、フルバージョンは使えません)。

いくつかの抗原で、”[抗原名] 抗体”もしくは”[抗原名] antibody”のGoogleでの検索回数を表にまとめました。数字は月間の平均検索回数です。

抗原名 “抗体”と組み合わせ “antibody”と組み合わせ
annexin 不明 390
Calcineurin 不明 91
Raf 不明 12
Ras 36 480
Caspase 不明 58
myc 170 91
CD20 170 不明
CCR3 不明 73
CD133 91 390

各抗原について、非常に乱暴ですが、平均で月間100回の検索が行われると想定しましょう。また抗原の種類は、割と知られているものだけでも数百はあるでしょう。仮に500種類あるとします。そうすると、直接Googleで抗体の検索を行うのは、月間50,000回あると計算されます。平日だけを考えますと、毎日2,000回の検索が行われている、非常におおざっぱに言えると思います。

そもそも「抗体」というキーワードだけだと165,000回の検索が行われていますし、antibodyだと27,100回の検索が行われています。「抗体」で検索しているのは、研究者以外の人が多いと思われますので、僕らの目的からすると、antibodyの27,100回の方が意味があると考えています。ちなみに「コスモバイオ」は6,600回、Googleで検索されています。

‘antibody’は27,100回検索されていますが、この数を先に推定したGoogleでの直接的な抗体検索回数、月間50,000回と比べますとかなり近い数字です。そこで、論理的にはかなり乱暴ですが、インターネットで抗体を探している人はかなり高い割合で、Googleでの直接検索を行っていると言えると思います。

そう考えると、Googleで直接検索を行うユーザは多いので、彼らを対象とした対策が必要になります。しかし、極一部のメーカーを除いて、これをしっかりやっている会社はかなりの少数派のように見受けられます。

残念な話です。