インターネットは本当に広告メディアなのか?

AdvertisingAgeに”Think Different: Maybe the Web’s Not a Place to Stick Your Ads”という記事がありました。インターネットの広告収入は目覚まして伸びていて、既にラジオや雑誌の広告収入を抜いていますが、その一方でバナー広告などに有効性が無いという調査結果も発表されているようです。またインターネットではメーカー自身が自社ウェブサイトを通して顧客と直接インタラクションできますので、中間のコンテンツ業者に広告を載せる必要がないのではないかという議論です。

その中から、僕が注目した部分の抜粋です。

  • Schematic社のCEO, Trevor Kaufmanのコメント。「広告で重要なことは、もはや顧客にメッセージを伝えることではなく、顧客に価値を提供することに変わってきています。いままで、広告に機能性は求められていませんでした。」
  • The Art Bin社のウェブデザイナー、Jakob Nielsenのコメント。「ウェブで基本的に重要なのは、ウェブは広告媒体ではないということです。ウェブはものを売る媒体ではありません。ものを買う媒体なのです。ウェブはユーザによってコントロールされています。ユーザが自らのエクスペリアンスをコントロールできるのです。」
  • 同じくJakob Nielsenのコメント。「ほとんどの人は、人間が物事と関わるときのモードスイッチを理解していません。私がウェブを使うときは、何かをしたくてウェブを使っているのであって、邪魔されたくないのです。テレビの場合は、もっとリラックスした楽しい時間を過ごしたいと考えています。」「サーチエンジン広告や求人広告が有効なのは、それを見ている人はもともと何かを購入しようと思って見ているからです。バナーのようなディスプレー主体の広告ではこれは違います。バナーは古いメディアの考え方をインターネットに移しただけのものです。」

ニーズを持っている人に、その人の判断を手助けする情報を提供してあげること。それがインターネット時代のマーケティング、そしてセールスになるということ。

各メーカーはこのことに気づきさえすれば、いまのセールス主体モードから、簡単に情報提供モードに切り替えるだけのリソースを持っています。その動きを加速するようなことを僕は少しずつやっていきたいと思っています。

「バイオの買物.com」β版公開

バイオの買物.comのβ版をいよいよ公開しました。ぜひご覧ください。

バイオの「価格.com」を目指して、ユーザの書き込み機能、絞り込み検索機能などかなり充実させたつもりです。またコンテンツに関しては、単にメーカーのウェブサイトにある内容をそのまま掲載するのではなく、ウェブサイトをじっくり読んで、要点をきっちり理解した上で一覧表にまとめています。各メーカーのウェブサイトはコンテンツが結構バラバラになっているので、これはかなり大変な作業でした。

その努力の結果、バイオの研究者が時間を節約できれば本望です。

コンテンツも裏で動いているプログラムも、またグラフィカルデザインも全部社内(と言っても従業員は1人ですが)でやっているので、その利点を生かして今後もスピーディーに内容を充実させていく予定です。

乞うご期待。

ユーザが決定権を持つコンピューティング

Accentureのレポートそのものはウェブで見つからないのですが、
‘User-Determined Computing’ Redefines Information Technology Priorities, Accenture Survey Finds

大部分の企業が短期の利益追求のためIT予算を抑制する一方で、社外の顧客および社員は、現在のITに対する不満がますます増大しているとしている。

  1. 世界中のFortune 1000のうち300の会社に対して調査をしたところ、ITチームは時間の40%を既存システムの保守管理に費やしている。
  2. 顧客接点のうち、わずか22%だけがオンラインで取り交わされている
  3. ITシステムのわずか11%だけが、顧客にフォーカスしたものである

そして、業績の良い企業に限って調べると

  1. ITシステムの25%を顧客フォーカスの活動に投入している。これは平均の11%を大きく上回る
  2. 既存システムを大幅に整理することにより、システムの保守にかける労力を19%減らすことができている
  3. 業績の良い企業は、既存システムに代わる新しいシステムを常に探していて、特にSaaSに興味を示している

バイオの世界で私は2つの会社に所属しましたが、大きい会社の方が非常に多くのITリソースを持っていました。でも顧客向けのITに関して言えば、1/10のサイズの小さな会社の方がよっぽど良いサービスを提供していました。そして大きい会社のITリソースは何に費やされていたかというと、まさにAccentureの調査の通り、ほとんどが社内向けの古いアプリケーションの保守と管理。

なんでそうなっていたのかを自分なりに考えると、営業が強すぎたのだと思います。営業というのは自分の目の前にいる顧客ばかり見るので、訪問できていない顧客のことがよくわからないのです。だから営業が強すぎる会社は、目の前にいる顧客のためのサービスばかりに注力して、ITを介してより多くの顧客にアピールすることを忘れていまいがちのように思います。

いずれにしても、その大きい方の会社は、ITに関しては非常に大変な思いをさせられた会社でした。小さい会社の方もITは良くはなかったのですが、小さいからこっちの言いなりに丸め込めたのが良かったですね。

お金というのは最も役に立たないスコアカード

The Canadian Pressの記事に、GiveMeaning.comを立ち上げた20代後半の社会起業家、Tom Williamsの話が紹介されていました。

記事によると、GiveMeaning.comは小さな草の根的なチャリティーと、お金を小額ずつ出す個人の間を取り持って、寄付したお金が具体的に何に使われたかという透明性を大切にしたサイトだということです。

Tom Williamsはアップルでの高収入な仕事をやめて、GiveMeaning.comを立ち上げています。
“It used to be all about the money, but you know what I found out is money is the most useless scorecard because there’s always a guy who has way more money, who is far less intelligent, who is far less moral or ethical, and yet he has more money. It was frustrating, I was pulling my hair out. Now, I can say my measurement of my success is around how much meaning I’ve made. If somebody is making more meaning than me, all can say is, ‘Man, I admire you.’ As opposed to ‘I envy you.’ ”
「前はすべてがお金でした。でもその中でわかったのが、お金というのは最も役に立たないスコアカードだということでした。なぜかっていうと、どこにいても、自分よりも頭が悪く、倫理的に劣るけれでも、それでも自分よりもお金がある人は常にいるからです。この頃はすごく不満がたまりました。でもいまの自分にとっては、成功の尺度は自分がどれだけ意味のあることを成し遂げたかです。自分よりも意味のあることをしている人がいたとしても、”お前のことがうらやましいよ”ではなく、”お前のことは尊敬するよ”って言えるから。」

バイオの業界の収入というのは、大部分が国民の税金です。ですからバイオの業界で働く人間は、常に福祉の心を持つべきだと僕は思っています。少なくとも、自分の仕事がどれだけの収入になるかだけではなく、どれだけ世のため人のためになったか。より短期で考えれば、自分たちの仕事の結果、どれだけ研究者を手伝うことができたかを意識しなければいけないと思っています。それこそがバイオ企業の存在意義だと思います。

僕の夢は、Castle104がバイオの研究者から、”お前らのことは尊敬するよ”っていってもらえる会社になること。

マーケットシェア追求の過ち

ペンシルベニア大学のWharton校のJ.Scott Armstrong先生の研究で、マーケットシェアに固執することが利益の低下を招くことが導かれているそうです。The ‘Myth of Market Share’: Can Focusing Too Much on the Competition Harm Profitability?

競争に勝つことではなく、利益を最大化することが大切だということ。そして競争に勝ってマーケットシェアの最大化につとめるあまり、多くの経営者は利益を喪失していると説いています。

トヨタ自動車、キャノン、任天堂などを、マーケットシェアではなく利益の最大化に勤めている企業の例に出し、一方でPS3やXboxのソニーやマイクロソフトをマーケットシェアに固執するメーカーの例に挙げています。

バイオの業界では競争が激化し、値下げが恒常的に行われています。売上を最大化しようというあまり、営業の増強にばかりリソースを割き、テクニカルサポートやフィールドサポートの人員は減らされています。付加価値を最大化し、利益を最大化するのではなく、「売り込む」ことに力が注がれています。いまは利益がなくても、このようにしていったんマーケットシェアをとれば、将来利益が得られるという幻想を追いかけているのです(どこかのPS3のように)。でも結果として、研究者にとってもっとも価値を提供してくれるテクニカルサポートとフィールドサポートの人員が削減されているのです。とても悲しいことです。

ちなみにABC World News Webcastを昨日見ていたら、老人ホームでWiiが盗まれて悲しんでいるおじいさんおばあさんが紹介されていました。このような人にも喜んでもらえる商品こそがすばらしいと思う今日この頃です。