Appleの企業文化はiPhoneに不利か

New York Timesの記事に“Will Apple’s Culture Hurt the iPhone?”というのがありました。

割とバランスが取れた記事です。MacintoshがWindows PCに追いやられたのと同じように、iPhoneがAndroidに追いやられるかどうかについて議論しています。

Openが必ずしも勝利するかどうか分からないと言ったことだとか、Appleにスケールメリットがあることとかに言及しています。

ただ非常に大きなポイントを忘れています。

iPhoneがAT&Tのネットワークにしか載っていないこと。そして最初からiPhoneがVerizonに載っていれば、Androidの躍進はかなり抑制されただろうということ。つまりオープンとかクローズドが問題ではなく、Appleとキャリアの権力闘争が一番の背景にあることがこの記事からすっかり忘れられています。

みんな、オープンvsクローズドが好きなんですよね。

Steve Jobs が喋る!

Appleの記録的な売上げと利益を報告したアナリストとの電話会議にスティーブジョブズ氏が参加し、いろいろな思いをぶちまけたことがウェブで話題になっています。文章に起こしたものはここで読めます。

スディーブジョブズ氏が考えるイノベーションについて、いろいろなヒントがありましたので、僕が面白いと思った箇所を取り上げたいと思います。

In reality, we think the open versus closed argument is just a smokescreen to try and hide the real issue, which is, “What’s best for the customer – fragmented versus integrated?” We think Android is very, very fragmented, and becoming more fragmented by the day. And as you know, Apple strives for the integrated model so that the user isn’t forced to be the systems integrator. We see tremendous value at having Apple, rather than our users, be the systems integrator. We think this a huge strength of our approach compared to Google’s: when selling the users who want their devices to just work, we believe that integrated will trump fragmented every time.

And we also think that our developers could be more innovative if they can target a singular platform, rather than a hundred variants. They can put their time into innovative new features, rather than testing on hundreds of different handsets. So we are very committed to the integrated approach, no matter how many times Google tries to characterize it as “closed.” And we are confident that it will triumph over Google’s fragmented approach, no matter how many times Google tries to characterize it as “open.”

Googleは自らオープンを戦略の柱にしていると語っています。それに対してスティーブジョブズ氏はオープンとかクローズドかというのはあまり意味がないと反論しています。そうではなく、最終顧客にとって何が一番良いか、そしてアプリを開発してくれるソフトウェアデベロッパーにとって何が一番良いか。それだけが問題だと考えているようです。

そして何が一番良いかの一つの結論として、Appleは製品ラインアップを減らし、重複する機能を削減し、常に整理整頓されたポートフォリオを持つようにしています。MacでもiPodでもそしてiPhoneでも。

(iPadとその競合について)And sixth and last, our potential competitors are having a tough time coming close to iPad’s pricing, even with their far smaller, far less expensive screens. The iPad incorporates everything we’ve learned about building high-value products, from iPhones, iPods and Macs. We create our own A4 chip, our own software, our own battery chemistry, our own enclosure, our own everything. And this results in an incredible product at a great price.

垂直統合の結果として、iPadは非常に製造コストを安くできているという話です。一般的な定説では垂直統合は高コストの製品につながります。しかしこのブログでも紹介していますように、特にイノベーションが盛んに行われている市場のステージでは垂直統合によってむしろ価格は安く抑えられます(議論が十分に練れていなくて申し訳ありませんが)。

The reason we wouldn’t make a seven-inch tablet isn’t because we don’t want to hit a price point, it’s because we don’t think you can make a great tablet with a seven-inch screen. We think it’s too small to express the software that people want to put on these things. And we think, as a software-driven company, we think about the software strategies first. And we know that software developers aren’t going to deal real well with all these different sized products, when they have to re-do their software every time a screen size changes, and they’re not going to deal well with products where they can’t put enough elements on the screen to build the kind of apps they want to build.

まず、Appleは自分たちを”software-driven company”と考えていて、何よりも最初にソフトウェアの戦略を立てているというのが面白いです。考えてみると当たり前なのですが、改めて言われるとなるほどと思ってしまいます。

そしてスティーブジョブズ氏いわく、7インチのタブレットでは有用なソフトを作成するにはサイズが足りないとのことです。興味深いことに、7インチタブレットを発売する予定のメーカーにしても、7インチのサイズを高く評価している評論家にしても、ソフトウェアの使い心地についてはほとんど語っていないように思います。そうではなくて、大きさとか重さとか持ち運びのしやすさ等を議論しています。Appleは自分たちを”software-driven company”としていますが、競合は逆にまだ”hardware-driven company”であって、評論家たちもまだ”hardware-driven critics”のように感じられます。別に”hardware-driven”であること自体には何の問題もないのですが、ただAppleやその競合を批評するときにはこの視点を忘れてはいけないと思います。

ちなみに7インチタブレットで最も話題性のあるSamsung Galaxy Tabの紹介ビデオを見る限り、掲載されているソフトのUIはsmartphone用のものを大きくしただけのように見えてしまいます。iPadのアプリの多くは画面を複数の領域に分けて、一度に多くの情報を表示するようにしています。それに対してGalaxy Tabのソフトはsmartphoneと同じように、一度に一つの情報だけを表示し、あとは画面を切り替えていくというアプローチを取っているようです。スティーブジョブズ氏の言わんとしていることはこの辺りだと思います。

バイオ業界との関連で思うこと

メーカーが販売しているキット製品を評して、「若い人は原理も解らずに使うから困る」とか「中身が解らないからトラブルシューティングができない」とかよく言われます。クローズドな製品であることに対する不満です。

僕も近いうちに、キット製品におけるオープンとクローズドについて考えてみたいと思います。

それと”software-driven company”ということと関連して、各メーカーおよび代理店は自分たちが何-drivenかをよく考えたら良いと思います。それは製造プロセスかも知れないし、物流システムかもしれません。新技術を発見し育てる能力かも知れないし、マーケティングや営業力かもしれません。問題解決力や製品サポート力かもしれません。何となく市場を見ていると、自社の本当の強みを理解できずに変なことに手を出しているメーカーが多いような気がしています。

USのVerizonネットワークにiPhoneが載るというWall Street Journalの記事

アップデート

New York Timesでも同様の記事がありました。Wall Street Journalの記事を引用しているのではなく、NY Times独自に情報を入手したような書き方になっています。


VerizonのモバイルネットワークにAppleのiPhoneが来年Q1から載るようになるという話がWall Street Journalに掲載されました。

噂はずっと前からあり、そしてAppleがCDMA通信プロトコルで動くiPhoneのバージョンを製造中である話も報道されていました。しかし信憑性の高いニューズメディアがはっきりとVerizonのネットワークに載ると報道したのは今回が初めてです。

NewImage.jpgいままで米国においては、iPhoneはAT&Tのモバイルネットワークでしか動作しませんでした。しかしVerizonこそが米国で最大のキャリアです。AT&Tでは電波が弱かったり届かなかったりする箇所が多いという苦情がウェブで非常に多くありました。Androidがここまで米国で売れているのも、ひとえにVerizonに載っていないからとも言えます。

日本の状況と似ています。日本はソフトバンクがiPhoneを独占していますが、NTTドコモに比べればエリアは狭いです。ただもしからしたら日本の国土(少なくとも人口のほとんどが住んでいる箇所に関して言えば)が狭いために、AT&Tほどの苦情はウェブで見られません。

iPhoneがVerizonに載るようになれば、いよいよiPhoneとAndroid携帯はキャリアの優劣ではなく、お互いの実力で勝負することになります。iPhoneがどこまでもらい返すか、そしてAndroidがどこまで踏ん張れるかが見物です。

Samsung Galaxy Tab 海外版の価格

Expansysのウェブサイトに、Samsung Galaxy Tabの価格が載っていました。

ドコモから発売されるものは4万円強になると言われていますので、Expansysの¥73,990よりずいぶんと安いと感じられます。しかしドコモのスマートフォンプラン2年間の縛り付きで、SIMロックもあると予想されます。Expansysの製品は香港からの輸入品ですので、SIMロック無し。その分だけ価格が高くなっているのでしょう。

galaxy tab expansys.png

同じようなスペックのiPad 3G 16GBを見ますと、Expansysのからは¥57,888で、Samsung Galaxy Tabより大幅に安くなっています。ipad expansys.png

iPad 3G 16GBはソフトバンクから実質負担金¥22,320で提供されていて、それに対してドコモからGalaxy Tabが4万円強で提供される訳ですが、この価格差はSIMロックフリーのものの価格がそのまま反映されている感じがします(SIMロックの有り無しで、互いに¥35,000ほど安くなっている)。

iPad vs Galaxy Tabの料金プラン

アップデート

ドコモが言っている2年契約で4万円強について、情報源等を追記します。
2年契約と言っているのは例えばPC Onlineの記事で確認できます。またこの場合、ドコモのスマートフォン割引価格と同様のものが適応されてはじめて4万円強の価格になるだろうとぼくは考えています。


ドコモから発売されるGalaxy Tabの本体価格も料金プランもまだ正式には発表されていませんが、本体価格がだいたい4万円強になるということ、それと料金プランがドコモの他のスマートフォンのプランに準ずること(通話料金も必要そうだということも)が言われています。

そこで予備的ではありますが、iPadとの料金プラン比較をしてみました。iPadもGalaxy Tabの2年縛りがあるので、24ヶ月使った場合の料金を比較しています。

ipad galaxy tab plans.png

なおSamsung Galaxy Tabの本体価格は¥40,000として計算し、月々の支払いはこれを単純に24等分しました。またスマートフォンの料金プランはドコモのスマートフォン料金プランイメージを使いました。3G タブレットとしての通常の使い方を想定して、パケ放題ダブルの上限価格を使いました。Galaxy Tabでは通話料金を払う必要があるという話がウェブで散見されているので、スマートフォン料金プランイメージに記載のタイプSSバリュープランを使いました。

またiPadの料金はiPad販売価格一覧表iPad専用データ定額プランを使いました。

結論

ドコモのサービスとソフトバンクのサービスは単純に比較できないのは周知のことですが、それでも2年間でそれぞれ¥214,720と¥135,720ですので、ずいぶん差があると言えます。これがiPhoneとXperiaの差とかなり似た水準だというのも興味深いです。

少なくともここの勉強不足の記者が言っているように「価格で(Galaxyタブに)軍配」とは到底、言えません。

このブログで繰り返し紹介していますよう(1, 2, 3, 4)に、世界的に見てもGalaxyタブはiPadより高くなってしまいそうで、そもそもの製造原価が高いと想像されます。

ドコモから公式の価格と料金プランが発表されたとき、高くて愕然とする人がたくさん出てくると思うのですが、どうなるでしょうか。シャープのガラパゴスも然りです。

オープンの方が高い理由

「オープンな規格にして、競争を促進した方が安くなるはずだ!」

多くの人がこのことを信じています。

でもこれはかなり間違っているのではないでしょうか。

確かにオープンで競争が激しかったものが「たまたま」安かったというケースはあります。しかしオープンであることと競争が激しいこと、そして価格が安いことは実際にはかなり独立した事柄であって、オープンであることの結果として競争が激しくなる訳でもなければ、オープンであることによって価格が安くなる訳でもありません。逆にクローズドであれば価格が高くなる訳でもなく、競争が阻害される訳でもありません。

タブレットはApple iPadが安い?

最近で言えばAndroidタブレットとして発表されたSamsung Galaxy Tabの例があります。まだ日本でのGalaxy Tabの価格は正式に発表されておらず、情報があるのはイギリスだけですが、iPadの方がSamsung Galaxy Tabより高くなってしまっているのです。

Samsungが使用しているAndroid OSはオープンソースであり、無償で使うことができます。Samsungは独自のOSを開発しなくてすんだのです。しかもiPadが発売されたのは一年近く前なので、後発として成功するためには積極的な価格戦略が重要です。しかもAppleはブランド力が強く、多少高くても製品が売れます。AppleのiPadはクローズドなシステムであり、競合他社からある程度遮蔽されています。その上Appleは利益幅を大切にしますので、無理な価格設定はしません。

以上を踏まえ、「オープンな方が安くなるはずだ」という考え方に立つと、どう考えてもSamsungの方が安くてしかるべきです。Android OSはオープン、それもパソコンにおけるマイクロソフトのWindowsよりもさらにオープンです。相変わらずクローズド戦略をとるAppleより当然安くならなければなりません。

でもそうなっていないのです。逆にApple iPadの方が安いのです。

どうして理屈通りにいかないのでしょうか。どうしてオープンなのに安くならないのでしょうか。

理由は簡単です。

理屈が間違っているのです。

価格はどうやって決まるの?

詳しいことを抜きにして、常識的な話だけをします。

価格を決める要因は大きく

  1. 競合価格
  2. 製造コスト要因
  3. 戦略的要因

です。

この中でも1.の競合価格は常に非常に意識されます。別名、市場価格です。末端顧客にとっては非常に分かりやすいのが競合価格ですので、価格設定のときはまず最初にこれを意識するのが一般的です。よほど明確な差別化ができていない限り、あるいは競合のブランド力が弱くない限り、競合価格を無視するということはあり得ません。逆に競合価格だけで価格設定をすることは珍しくありません。

製造コストはもちろん大きな要因です。しかし通常は「守り」的な意味を持ちます。価格は基本的には競合を元に考えるのですが、ここで設定した価格で本当に利益が出るかどうかを確認するときに製造コストを確認することになります。特に日本のように伝統的に製造現場が強く、マーケティングが弱い場合は、製造コストは最後に確認しがちです。

最近のちゃんとしている企業であれば、製造コストを元に最終的な価格を設定するのではなく、逆に最終的な価格を最初に決めて、そしてその価格で十分な利益が出るように製造方法を組みます。つまり製造コストが価格を決定するのではなく、価格と製造コストが先に決まっていて、それから製造方法が決めます。AppleがiPadの開発を行ったときはこの方法をとったと語っていました。

戦略的価格というのは、「今は仕方ないから赤字でも我慢しよう」という状態の別名です。顧客を囲い込んで、後で別の方法で利益を改修できる見込みがあるときにとられる価格戦略です。携帯電話の本体を安く売って、後で通信費でその分を回収する場合等にとる価格設定戦略です。

さてGalaxy Tabの場合は1.の競合価格を強く意識したはずです。しかし2.の製造コストが十分に下げられず、泣く泣くiPadよりも高い価格にせざるを得なかったと推測されます。Galaxy Tabは後発であり、Apple iPadとは大して差別化できていないので、これ以外は考えられません。

もちろん戦略的価格戦略も考えられます。しかしAndroidは完全にオープンなので、顧客の囲い込みは困難です。ですからSamsungはこの戦略をとることはできませんでした。

どうしてSamsungは製造コストを下げられないのか

これもかなり単純だと予想しています。Appleの方がスケールが断然大きいのです。

iPadのOSはiPhone, iPod Touchと同じiOSで、CPUなどの部品も共通です。Apple
が出荷するであろうiPad + iPhone + iPod Touchの台数と、Samsungが今後出荷するであろうAndroid携帯 + Androidタブレットの数はどれぐらい違うでしょうか。想像するだけでも数倍は違うはずです。一桁違うかもしれません。(iPod Touchの販売台数はiPhoneと同レベルです。iPhone対Androidのシェアは情報源によってはかなり競っているというものもありますが、僕はNielsenのデータに信頼を置いています。もちろんAndroid携帯は複数メーカーから販売していますので、各メーカーのシェアはAndroid全体のシェアの数分の一です。)

これだけスケールが違うと、部品の調達力に大きな違いがあります。自然と大きな値引きが引き出せます。数年前の話ですが、SamsungがAppleにiPod用のflashメモリを50%程度値引きしているということで、競合のiRiverが抗議したということもありました。iPadについても同程度に調達コストを抑えられている可能性があります。

Androidのようなオープンな規格だと、どうしても市場が分断されます。独自のOSを開発するという参入障壁がないことにより、多数のメーカーが参入します。その結果として、各メーカーの取り分が小さくなり、部品を調達する際の交渉力が弱くなってしまいます。これはオープンであることによって却って価格が高くなってしまう例です。

他にも原因はたくさんあると思います。今回はこの一例だけ紹介しますが、オープンの方が価格は高くなり、一般の常識に反してクローズドの方が価格を下げやすいこともあるのを理解していただければと思います。

オープンによって価格が下がるのはどういうとき?

オープンにすることによって価格が下がる例はもちろんあります。パソコン等が良い例です。でもこうなるためには条件があります。

それはクローズド戦略をとっていた企業が、その立場にあぐらをかいて顧客から利益を搾り取っている場合です。先に書いた例でも紹介したように、クローズド戦略をとりつつ大きなマーケットシェアを獲得した企業は、本来は有利な価格戦略を展開しやすいはずです。低価格戦略に打って出る余裕はあるはずです。しかしマーケットシェアが大きくなると、ほとんどの経営者は顧客を搾取することを始めます。価格を下げる努力を忘れ、新技術の開発の手を緩め、取れるだけ利益をとろうとするのです。ほとんどの経営者は短気目標を重視し、長期目標を軽んじる傾向があるので、これはある意味合理的な判断ではあります。通常の方法で株主利益を最大化するのであれば、このやり方が正解です。マーケティングではこのような戦略をしばしば「milking」と言います。

これに対してオープンな市場であれば、企業は顧客を搾取することができません。価格競争が起きますので、各企業はがんばって価格を下げます。だからオープンな市場は価格が安くなるのです。

さてAppleがとっている戦略は、クローズド戦略でありながら、そして巨大なマーケットシェアをとりながらも、決して顧客を搾取しない戦略です。膨大な利益が出ても価格を下げる努力を続け、そして新しいイノベーションを忘れていません。利益を最大化することを考えるのではなく、どうやったらより多くのイノベーションを起こし、より多くの人の人生に好影響を与えられるか。Appleは株主利益ではなく、Steve Jobsの妄想によって駆り立てられている会社です。こういう会社のクローズド戦略に勝つのは簡単ではありません。

確かにマッキントッシュはウィンドウズに負けましたが、あれはクローズドvsオープンの戦いではなかったのです。最大限に顧客を搾取するため、昔のマッキントッシュはべらぼうに高価でしたし、そして新しいOSの開発がうまく出来ない等、イノベーションも起こせませんでした。いくら昔とはいえ、パソコン一台で167万円って信じられますか?。Jobsを追い出した後のAppleの経営者はそういう販売戦略をとったのです。単なるクローズド戦略ではなく、顧客を搾取するクローズド戦略をとったのです。そういうのはオープン戦略に簡単に負けます。

Galaxy Tabの正式価格

日本の価格ではなくイギリスでの価格ですが、昨日公式なものが公開されたようです。

Samsung Galaxy Tab Gets Official UK Price

正式な価格(希望小売価格: recommended retail price)は£799です。以前から公開されていたAmazon.co.ukの情報が正確だったようです。£799というのはべらぼうに高く、¥105,500 円に当たりますです。ただAmazonでは£599.99(¥79,200)で販売していますので多少はマシです。

ただそれでも同等のiPad 3G (16G )が£529.00(¥69,900)です。

先にブログに書いた通りだったようです。

Galaxy TabのDocomoの価格

NTTドコモから発売されるGalaxy Tabの価格について、まだ正式発表はありませんが、NTTドコモの山田社長からコメントがありました。

毎日.jpより

 山田社長は「Sは、世界で500万台販売されている。どこからみても高精細で、2機種ともスマートフォン新時代にふさわしいモデルだ」と語った。価格は「S」が新規、2年契約で3万円弱、「Tab」が同条件で4万円超の見込み。

さて、専用のデータプランの価格がまだ発表されていませんので、iPadとの比較は簡単ではありません。しかしドコモは通常、ソフトバンクのように分割支払金を割り引くようなことはやりませんので、Galaxy Tabの場合もそうなると予想します。

iPadの場合、3G, 16Gモデルでデータ定額プランを申し込むと、分割支払金は ¥2,430です。そしてデータ定額プランは毎月 ¥4,410ですが、iPadで新規加入から24ヶ月間は¥1,500の割引があります。したがって、分割支払金は実質 ¥930。そして24ヶ月となると¥930 x 24 = ¥22,320ということになります。(XperiaとiPhoneの料金比較の資料ですが、料金システムの違いを理解するのに参考にしました)

つまりiPad 3G, 16Gをソフトバンクのデータプランと合わせて購入した場合、ハードを購入するための実質負担金は¥22,320となります。

これだと山田社長が言っていたGalaxy Tabの4万円はずいぶんと高い感じになってしまいます。倍近い価格です。

最終的なGalaxy Tabの価格が発表されれば、うんと詳しい評論家が解説してくれるでしょうが、とりあえずいまのところの感覚からすると、日本でもGalaxy TabはiPadよりもずいぶんと高価になってしまいそうです。

ちなみにイギリスやオーストラリアでは一部のサイトでGalaxy Tabの価格が漏れていますが、同様にiPadよりも高価になってしまっています。ドコモだから高いということでは無さそうです。

アップデート

sak’s Android Avenueより

電話もできるようで料金プランも通常のスマートフォント同様ということらしいですが、通話はいらないので2台目用途のデータ通信端末専用の安価な料金プランを設定してもらいたいところです。

本体価格を下げるには料金プランを高くしないといけないので、だれも使わなくてもこれを付けなければならなかったのでしょう。

GALAPGOSがガラパゴスにもなれない理由:追記

前に書いたブログに対していくつか捕捉したい点があります。

やはり「進化」の視点で。

GALAPAGOSの独自機能は強みにならないか?

GALAPAGOSにはいくつか優れた特徴があります。例えば画面の解像度がiPadよりも高いとか、あるいはXMDF規格が日本語の扱いに優れている点です。

しかし、優れた機能を持っているということと強みがあるというのは全く別の話です。なぜならばGALAPAGOSはAndroidなどの標準規格を多用しているからです。

少なくともGALAPAGOS程度の特徴であれば、標準的なAndroidタブレット(まだ販売されていませんが、近いうちに登場するでしょう)やiPadに搭載することが簡単です。XMDFについてはビューアソフトを作ればいいだけです。画面解像度の問題についてはAppleはiPhone 4で大幅に改善していますので、iPadの次期バージョンでも解像度が良くなるのはかなり確度が高いです。

つまりGALAPAGOSは「隔絶」の度合いが極端に少ないため、独自機能を進化させても、すぐに真似られます。ですから独自の進化を積み重ねることが出来ず、ガラパゴス的進化はできません。

機能を限定することにより、独自のセグメントが築けるか?

大西宏さんが言っているのが恐らくこの議論です。

大西さんも言っていますが、価格をぐっと抑えられればこの可能性はあります。価格を大きく開けることにより「隔絶」したマーケットセグメントが狙えるからです。しかし既に発表されているAndroidタブレットを見ると、価格はiPadより安いどころか、むしろ高くなりそうです。新しい抱き合わせ(例えばオンライン新聞購読とのセット販売)をしない限り、GALAPAGOSの値段も抑えられないでしょう。

そうなるとこの議論は無理になってしまいます。

僕の意見

GALAPAGOSという名前、「社員レベルでは反対の声が多かったのは確か。しかし、上層部に行くほど、このブランドに対する賛成の声が増えていった」そうです(ソース)。

マーケティングと生物の進化は共通するところは多いと思います。ガラパゴス進化なんてまさに生物学的に言うニッチですし、マーケティングのニッチ市場も言葉が同じだけでなく考え方も同じだと思います。その意味で技術のガラパゴス進化は非常に興味深い話題です。

でもシャープ上層部はガラパゴス進化を理解していないのでしょうね。

“Can anybody beat the iPad?” だって

Can anybody beat the iPad?というのが CNNMoney.comのウェブサイトにアップされていました。

まぁアナリストの言っていることなのであまり真に受ける必要もないのですが、僕もそうだと思います。

というか今年の1月30日には既に明白だったと思います。(「iPadのこわさは、他のどの会社も真似できないものを作ったこと」