Android on Feature Phones

There has always been a big difference between Android and iOS web usage. One explanation has been that many Android users are actually using their smartphones in basically the same way as a feature phone; that they are used mainly for texting and voice, and not being used too much to connect to the rich Internet.

Now, in Japan, feature phones are transitioning to Android.

What an Android/Feature phone hybrid might look like

On March 3rd, 2015, I commented on a Techpinons article by Bob O’Donnell, giving a description of a fun Android-based feature phone that was recently announced in Japan.

Just to give you some ideas, let me talk about a fun phone that we have in Japan.

A Flip-phone / Smartphone hybrid!!

It looks just like a flip style feature phone, but the keypad also works as a trackpad so you can freely move a cursor around on the screen. It runs Android 4.4 on a quad-core CPU, doesn’t work with Google Play, but messaging apps like LINE run OK. It has a full browser, HDR, WiFi and LTE. You can download apps from an app store run by the carrier (in this case, KDDI). It also comes preinstalled with a maps app, which is, you guessed right, created and owned by the carrier. It even has an office suite!!

You can tether to your tablet, if you really feel like using a boring flat slate. It actually has some Continuity-like features to work together with tablets like tapping on a phone number on your tablet will make your phone dial the number.

So Bob, is this the kind of thing you are looking for?

http://www.sharp.co.jp/products/shf31/

When you run out of ideas, you should come to Japan!

Rationale for the transition

This Nikkei article does not have much in terms of news, but it explains how moving to Android is not really about features, but more about development costs.

Common wisdom is that feature phones are easier to create. That may be true if you are Nokia and you created phones that were sold in huge numbers worldwide. However, with the rise of Chinese manufacturers and the drop in smartphone component prices, this will not continue to be true in the long-term.

Who uses feature phones anyway?

One thing that the Nikkei article gets wrong is that feature phones are not used predominantly by older people.. In corporations for example, there are many people who use a combination of feature phones and tablets. Feature phones have longer battery life, and because the flip design allows the microphone to be closer to your mouth, they are better suited if your primary usage is voice. In many ways, the Android/Feature phone hybrid that I talked about directly addresses these users.

What does this say for Android usage?

These Android/Feature phone hybrids will not be used as smartphones and will not contribute to Android web usage much. Importantly, they will not contribute to Google’s ecosystem and they will not rely on Google services. In fact, it is likely that they will not be able to run the majority of Google Play apps.

日本の通信関連で占うのなら、ガラケーがどうなるかでしょ

年末なので2014年はどうなるのかを予想してみるのが一つのお決まりです。そして日本の携帯電話を含めた通信分野に関していえば、占うべき課題はガラケーの将来、そして日本の携帯電話メーカーの将来がまず第一ではないでしょうか。

  1. 9月26日にパナソニックが個人向けスマートフォン開発からの撤退を発表
  2. 7月31日にNEC (NEC・カシオ・日立) がスマートフォンの開発と生産から撤退を発表
  3. 残るはシャープ、ソニー、富士通、京セラ (情報通信総合研究所)
  4. ドコモがiPhoneの取り扱いを開始した

これだけのことがあれば、残された日本の携帯メーカーは2014年を乗り切れないのではないかと心配してしまいます。

その一方でガラケーを使い続ける人にも今年はスポットライトが当たりました。ガラケーには根強い人気があるということです。NHKでは「ガラケーの逆襲」という番組もやりました。

そう考えると2014年のシナリオとして以下のことが考えられます。

  1. 日本の携帯電話のうち、スマートフォンから撤退する会社が後2つぐらいは出るかも知れません。
  2. ただしスマートフォンから撤退しても、パナソニックのようにガラケーを売り続けるかもしれません。
  3. スマートフォンの市場は飽和し、スマートフォンとガラケー共存の時代になるかも知れません。

これはこれで構わないのですが、世の中の進歩という意味ではいささかつまらないシナリオです。そこで「占う」というよりも「現実的な希望」という意味で、2014年にこうあって欲しいというシナリオを描きたいと思います。

スマートフォン or ガラケー ではない

ガラケーを愛用し続ける人が挙げる理由は大まかに次の2つです;

  1. ガラケーの方が月額料金が安い
  2. ガラケーの方が電池が持つ
  3. ガラケーの操作性に慣れている

このそれぞれのポイントは現在スマートフォンにはなくてガラケーにだけある特徴です。もしこれらがスマートフォンでも実現されれば、ガラケーを使い続ける理由がなくなります。

そこでこれを検証したいと思います。

どうしてガラケーの方が安いのか

ガラケーを作るためのコストは実のところ、結構高いのです。信頼性のある情報をウェブで見つけるのはなかなか大変なのですが、ケータイの開発現場にいたという人のこのブログに情報がありました。

私はケータイの開発現場にいたので、2万円未満のケータイの実現性は何となくわかります。ケータイのハイエンド機種と中位機種の中身に大差ありません。核となるチップやファームウェアは同じものを使用し、音源チップやLCDの変更などでコストを削っています。このやり方でさらに半額以下にするのは至難です。端末の価格はメーカーの原価だけでは決まりません。販売店やキャリア、運送業者なども利益を出す必要があります。

2万円未満で新機種を販売するには、最初からそれが可能な開発手法が必要です。仕様の割り切り、設計の外注、製造の外注、直販、エアダウンロードのあり方、販売期間の設定、等々。

一方でスマートフォンは開発競争が激しいせいか、それとも部品が少なくて製造しやすいせいか、世界ではかなり安価なものがSIMロックフリーで販売されています。性能的も特にWindows PhoneのLumia 520などは好評です。Lumia 520はSIMロックフリーで2万円以下で売られ、今では1万円ぐらいまで値下がりしています。

こう考えると少なくとも2014年時点において、スマートフォンの端末価格はガラケーの端末価格を下回ります(ずっと前からそうだったという話もありますが)。

そうであるならば、スマートフォンの通信量をソフトウェア的に抑制し、ガラケーと同じような通話・メール中心の安価な料金プランを用意することは可能なはずです。ウェブを見たりFacebookを見たりする時にはWiFiを使ってもらえば良いのです。

細かい技術ハードルはいくつもあるでしょうが、ハード的にも通信環境的にも非常に整備されている現状では大した問題ではないだろうと想像されます。

実はGoSmart MobileというT-Mobileのサービスの一つが、無料のFacebook接続プランというのを1月から提供する予定です。通話料のみのプラン(25 USD)を利用している顧客でも、Facebookだけは追加料金無しでアクセスできるサービスです。

Facebookをキャリアメール、もしくはLINEに置き換えると日本人にはわかりやすいと思います。通話料のみのプランだが、キャリアメールとLINEだけは使い放題。他のインターネットサービスは有料。

是非こうなって欲しいと思います。

スマートフォンの電池をもっと持たせる方法はないか?

スマートフォンの電池を長持ちさせるのは技術的には簡単ではなさそうです。iPhoneも処理能力は飛躍的に進化していますが、電池の持ちはそれと比べて余り進化していません。

ただ手段が尽くされたという状況でもなさそうです。例えばiPhoneとAndroid端末を比較すると、iPhoneは半分ぐらいしか電池容量がないのに動作時間では大きく負けないという結果もあります。2014年にはまだ大きな期待はできませんが、徐々に電池の持ちは改善していくかも知れません。

操作性の問題

操作性については慣れの問題があります。そしてガラケーの操作がしやすかったかと言えば決してそうでもなかったという気もします(先日、父のドコモのらくらくホンの使い方がわからなくて苦労しました)。何とも言えないところがあります。

「らくらくスマートフォン」で強く感じるのですが、「楽にする」ということと「覚えたいと思わせる」ことはセットで考えないといけません。「楽にする」を強調する余り、魅力的な機能を削ってしまうと「覚えたいと思わせる」ことができません。

そして顧客にアンケートをとると決まって「楽にする」系の解答が多くなる一方で、「覚えたいと思わせる」系の解答は少なくなります。「覚えたいと思わせる」機能はまだ実現されていないことなので、顧客はまだニーズを感じていませんから。

このあたりはApple以外はほとんど実績がないところなので、なかなか進歩がないかも知れません。

まとめ

こうあって欲しいことの中で、一番実現可能なのは最初の通話料の問題だと思います。もちろんキャリアとしてみれば「稼げるだけ稼ごう」というのがあるので、余り積極的にはやってくれないかも知れません。

一方でガラケーで何とかしのぐというのも凄く不自然な状態です。利益的にも不利なはずです。2014年に何か新しい方向性が生まれたら良いなと思っています。

iモードがiPhoneに敗北した原因はiモード ブラウザか?

「iモードがiPhoneに敗北した理由は製品にこだわらなかったから」という書き込みを先ほどしました。その中で特にiモード ブラウザを取り上げて、ドコモが製品の改良を怠ったのが主因だとしました。そしてドコモが製品改良を優先していれば、もしかすると先にiPhoneに似た端末を開発できたかも知れないと述べました。

ただし、ドコモが製品の改良を全然してこなかったかというとそういうわけではありません。ワンセグやおサイフ携帯など、世界で初めての機能をいくつも取り入れていました。問題はこれらの機能が余り重要ではなかったことです。

ワンセグもおサイフ携帯もiPhoneには搭載されていません。それでもiPhoneは日本で非常に人気があります。

ここでは、iモードの主な敗因(iPhoneの勝因)がブラウザにあったことを示す情報と、iモードのブラウザの状況が惨憺たるものであったことを示す情報を紹介したいと思います。

iPhoneと特徴はパソコンと同等のネット閲覧ができることだった

Steve Jobs氏がiPhoneを発表したとき、iPhoneを“An iPod, a Phone, and an Internet Communicator”と紹介し、“Internet Communicator”というのはSafariブラウザのアイコンを使って紹介しています。それまでに携帯電話とiPodを融合した製品は存在していましたので、iPhoneの新しかった点はまさに“Internet Communicator”の部分、つまりSafariブラウザの部分であったことがわかります。

なおかつ初代のiPhone OSではサードパーティーのアプリはインストールできませんでした。アプリはHTML, CSS, Javascriptを使って開発し、Safariブラウザ上で動作させなさいというのがメッセージでした。ここでもSafariブラウザが中心です。

App Storeがまだできていなかった当初は、iPhoneはSafariをどうさせるためにこそ存在する端末とも言える存在でした。iPhoneで新しいのはSafari。そしてイノベーションはパソコンと同等のネット閲覧を携帯電話で実現したことでした。

スマートフォン購入の主な同期はパソコンと同等のネット閲覧ができること

まずは総務省が公開した平成24年版 情報通信白書です。この中の「スマートフォン・エコノミー」~スマートフォン等の普及がもたらすICT産業構造・利用者行動の変化~の中で以下のように書かれています。

ウェブ調査結果に示すとおり、スマートフォンがパソコンとほぼ同等のウェブ閲覧機能等を有していることが、スマートフォン購入の重要な動機となっていると考えられる。

この根拠となるデータは「スマートフォン・エコノミー」~スマートフォン等の普及がもたらすICT産業構造・利用者行動の変化~に紹介されています。
NewImage

NewImage

まず、①当てはまるもの全てに係る回答については、「パソコンと同じ画面で閲覧ができるから」との回答が57.4%(1位)に達し、「画面が大きくて見やすいから」との回答(2位、46.4%)が続き、パソコンと同等環境でのメールの使用(4位、37.2%)も上位を占めている。次に②最も決め手になった項目を1つ選択する回答についても、パソコンと同じ画面での閲覧が1位(22%)となっている。この結果を踏まえれば、スマートフォンがパソコンとほぼ同等のウェブ閲覧機能等を有していることが、スマートフォン移行の重要な動機となっていると考えられ、上記の重視度に関する分析とも符合していることがわかる。

iモードのブラウザは完全に時代遅れでした

NTT Docomoのiモードブラウザのウェブページに行くと、iモードブラウザ1.0とiモードブラウザ2.0以降の技術情報が紹介されています。

iモードブラウザ1.0は「主に2009年3月までに発売となった、ブラウザキャッシュ100KBまでのサイズに対応した機種をiモードブラウザ1.0と規定します。」となっています。

つまりiモードブラウザはiモード誕生の1999年から2009年3月までに一回も大きなバージョンアップが無かったのです。IT業界で10年というのはあまりにも長い年月です。

2009年に誕生したiモードブラウザ2.0はiPhoneの躍進に対抗して、やっとDocomoがバージョンアップを行ったものです。しかしiPhoneが搭載し、パソコン用のウェブサイトも閲覧できるSafariと比べて圧倒的に性能は低いものでした。主な特徴はブラウザのキャッシュサイズが500KBになったこと、UTF-8に対応したこと、BMPやPNGフォーマットの画像に対応したこと、Cookieに対応したこと、Javascript, CSSに限定的に対応したことだけです。これらの機能はiPhoneならずとも、AUやSoftbankの携帯電話で既に実現されていたものばかりです。

結論

今から振り返って分析すれば、答えは簡単です。

ユーザは潜在的にパソコンと同等にネット閲覧ができる携帯電話を望んでいました。

これを理解し、数々の技術革新をしながら実現したのがAppleのiPhoneでした。

ドコモはブラウザの重要性を認識していませんでした。10年前と同じ技術を使っていても問題は無いと考えていました。ドコモはiモードのブラウザを更新せず、iモードブラウザの開発を滞らせてもお財布携帯やワンセグの方を優先しました。そして10年間、iモードブラウザを大きくバージョンアップしませんでした。

iモードがなぜ敗北したかを理解するために必要なこと

上述でiモードの敗因はiモード ブラウザの開発を怠ったことだと結論しました。

次の問題は、どうしてiモード ブラウザの開発を怠ったかです。

これには技術力の問題そして既存のビジネスモデルの問題があるだろうと推測しています。また別の機会に考えたいと思います。

iモードがiPhoneに敗北した理由は製品にこだわらなかったから

i-mode(ガラケー一般)がiPhoneとそれを真似て登場したAndroidに敗北した理由はいろいろ言われていて、どちらかというと旧態依然とした組織や業界構造、ぬるま湯体質に目が向けられています(例えば日経新聞の特集)。

しかし私にはそれが釈然としませんでした。なぜならばこういう組織構造や業界体質は1990年代の半ば、i-modeが誕生し、そして躍進した時代と同じだからです。大成功から敗北という大きな変化を、固定された変数で説明することはできません。日本の組織構造や業界体質を理由に、ビジネスのダイナミックな変化を説明することはできないのです。

i-modeは技術的に停滞していた

私はi-mode用のウェブサイトを開発している経験から、i-modeの技術がiPhoneのみならず、AUやSoftbankの携帯と比べても抑制されていると感じていました。「抑制されている」というのは、ハードウェアやソフトウェアの進歩がi-mode規格に活かされていないという意味です。そしてこの状況は1990年代半ばのMac OSの状況、あるいは2010年頃のInternet Explorer 6の状況と良く似ていると感じていました。

この技術的な停滞こそがi-modeの敗北の原因ではないかと感じていました。

IT業界の変革は、ムーアの法則と古い製品の間の活断層で生まれる

ITの世界のダイナミズムの源泉はムーアの法則です。ICが誕生して以来、コンピュータの処理能力は毎年劇的なスピードで進歩しています。そしてその進歩に合わせてハードウェアが進化し、ソフトウェアが進化し、インターネットが進化し、サービスが進化しています。ムーアの法則があるため、ITの業界では立ち止まることが許されません。仮にビジネスの中心がサービスに傾きかけていても、あるいは独占的な立場を築き上げていても、ハードやソフトの進化を止めてしまうと、後ろから来る大きな波に埋もれてしまいます。

i-modeの場合は明らかにソフトが停滞していました。それはi-modeブラウザが一番はっきりしていました。携帯電話にフルブラウザが搭載できるぐらいにハードが進歩しても、i-modeブラウザでは相変わらずCSSやJavascript、Cookieが使えませんでした。i-modeははっきりと立ち止まっていました。

ムーアの法則により新しいことが可能になっているのに、既存の製品が停滞したままだと、そこに大きなギャップが生まれます。IT業界の変革は、その間を埋めるように、活断層で地震となるように起こります。

どうしてi-modeは進歩が停滞したのか

i-modeがどうして停滞したかを考える上で、中心的な立場にいた夏野剛氏の存在が非常に気になりました。彼がビジネススクール出身で、技術よりもビジネスに感心があること、そしてITの将来を議論するにも極めてボヤボヤしていることが気になりました。そこを手がかりに調べていったところ、夏野氏がどうしてi-modeの技術的進歩を止めたのがが簡単にわかりました。

2008年にASCIIに掲載された「夏野剛氏が退社のワケを告白」を参考に議論します。

技術軽視

その後のNTTドコモの強さは周知の通り。他社が追いつきたくても太刀打ちできない「ドコモ一人勝ち」の状態が長くつづいた。iモードが強かった秘訣は、「技術」ではなく「ビジネス」に徹底的にこだわったという点にある。

「iモードはビジネス的な見地から考えてきた。社内でも、ずっとこれは技術ではないと言い続けていた。IT革命の本質は技術のコモディティ化。技術を使うことが目標になっていては最悪。何かをするために技術を持ってくるのが本筋でしょう」

「何かをするために技術を持ってくるのが本筋でしょう」というのはもっともな意見です。Appleも技術を前面に出さず、何ができるかや使い勝手、使ったときのエモーションを大切にします。

ただしAppleの場合は、裏側では相当に技術を発達させています。「IT革命の本質は技術のコモディティ化」などとは決して考えていません。例えばiPhone用のSafariブラウザはAndroid用のどのブラウザと比べてもスピードが速く、なめらかです。GoogleはiPhoneの動きのなめらかさを真似ようと相当に努力をしていますが、未だに追いつきません。加えて様々なHTMLやCSS規格をモバイルブラウザに搭載すること(バグ無しで)に関しても、Safariは常にAndroidをリードしてきました。

「高度な技術は持っているけれども表に出さない」のがAppleで、「コモディティ化した技術を発展させなかった」のがi-modeだったのではないでしょうか。

技術を発展させなかったツケ

「MNP導入以降、何がドコモの強みなのかをはっきりしないまま、料金競争に巻き込まれている。そんなドコモを見ていると、すごく心が痛み、もっといろいろなやり方があるのになあ、という悔しさがある。最近の状況は正直辛い」と

ムーアの法則のため、一時は技術的に優位に立っていても、立ち止まってしまうとすぐに追いつかれます。

なおかつ夏野氏の考える「ビジネス」、つまりコンテンツやサービスを提供するプロバイダはそもそもがi-modeだけをターゲットしているのではなく、AUやSoftbankを使っているユーザもターゲットしたいと考えています。プロバイダにとってはi-modeの差別化、ドコモの強みはどうでもよく、どちらかというと他のキャリアと区別の無い状態を望んでいるのです。

料金競争に巻き込まれたのはごく当たり前のことです。

もしi-modeがフルブラウザ志向であったならば

以降は私の推測になります。

夏野氏の方針によってi-modeの技術発展は停滞しました。しかし日本のモバイルインターネットの事実上の標準はi-modeでした。その標準が停滞したのです。

仮にSoftbankやAUが自身のブラウザに新しい機能をつけても、i-modeにその機能が無ければコンテンツプロバイダは活用しません。i-modeユーザが一番多いからです。

もし夏野氏がビジネス志向ではなく、Appleのような技術志向であったならば、i-modeをより発展させ、フルブラウザとして発展させたでしょう。CHTMLに留めることなく、パソコンと同じようなHTML, CSSが使えるように技術開発に努めたでしょう。フルブラウザは2004年に既に日本でも登場していましたし、それより以前から海外では使われ始めていましたので、i-modeがフルブラウザ化していくことは技術的には十分に可能でした。

もしi-modeのフルブラウザかを阻害している要因があったとするならば、それは夏野氏の言う「ビジネス」(つまりコンテンツやサービス)でした。

i-modeがフルブラウザ志向であったならば、ガラケーの進化の道は大きく変わったはずです。

フルブラウザはCPUパワーを消費しますし、大きな画面でこと使い勝手が良くなります。必然的に現在のスマートフォンのようなデザインを必要とします。そして矢印キーによるナビゲーションでは限界があるので、タッチも採用したことでしょう。

思い返してみると、初代のiPhoneをSteve Jobs氏が発表したとき、彼はiPhoneを“An iPod, a Phone, and an Internet Communicator”と紹介しました。iPhoneの開発目標は第一に“Internet Communicator”だったのです(当初はサードパーティアプリ開発は準備されていなかったので)。

もしi-modeがフルブラウザ志向であり、それにとことんこだわっていたならば、かなりiPhoneに近いものができたはずです。

最後に

IT業界で技術にこだわらないと敗北します。ビジネスに過度に傾き、技術革新を怠ると、ムーアの法則が定期的に生み出す大きな変化の波にのまれます。

i-modeの敗北はおそらくはこれだけで説明できます。開発当初こそは技術的に優位に立っていましたが、しばらくしたらAUやSoftbankに真似られます。そして最後には徹底した製品志向のApple iPhoneの波にのまれます。

それだけです。

i-modeがiPhoneに化ける可能性はありました。しかしそれを阻害したのは他でもなく、夏野氏自身のビジネス志向だったのではないでしょうか。

私はそう思います。

i-modeとChristensen氏のlaw of conservation of attractive profits

i-modeの敗北についていろいろ調べている中で、池田信夫氏の「iモードの成功と失敗」が(結論は別として)興味深かったです。

何が興味深いかというと、私が以前にも言及したClayton Christensen氏の“law of conservation of attractive profits”との関連性が見えるのです。

池田信夫氏によるとi-mode創世記にはいろいろなことが起こりました。

WAPが携帯端末の限られた能力で普通のウェブサイトなみの機能を実現しようとしてデータを圧縮し、携帯端末用に最適化した言語WMLを開発したのに対し、iモードはドコモ独自のパケットで伝送し、中央のゲートウェイでTCP/IPに変換して、HTTPやHTMLなどのインターネット標準をそのまま使う方式だ。これはドコモの電話網でインターネットのエミュレーション(模擬動作)をやっているので伝送効率は低く、機能も限られている。

ところが、iモードはドコモだけで規格が決められるため、どんどんサービスを始めたのに対して、WAPの標準化が遅れたため、ドコモ以外の各社はそれぞれ独自の「WAPもどき」の方式でサービスを始めざるをえなかった。その結果、国際標準であるはずのWAPがかえってばらばらになり、標準化をほとんど考えない「NTT規格」だったiモードが事実上の国内標準となった。2001年に発表されたWAP2.0はiモード互換となり、実質的にドコモの規格が国際標準となった。

この明暗を分けた決定的な要因は、iモードをサポートする「勝手サイト」が大量に出現したことだ。WAPで読めるようにするには、WMLで書き、特殊なWAPサーバを使わなければならなかったのに対して、iモードのコンテンツはコンパクトHTML(簡略化したHTML)で書いて普通のウェブサイトに置くだけでよいため、だれでも自分のホームページから情報を発信でき、勝手サイトは爆発的に増えた。

Christensen氏の理論に従って上述の経緯を解釈すると以下のようになるのではないかと思います。

  1. WAP技術は携帯端末に最適化された新規格だったのに対して、iモードはインターネット標準をそのまま使うものでした。そして少なくともDoCoMoのキャリアネットワークでは、強いて携帯端末に最適化された新規格を採用しなくても、インターネット標準で十分でした。つまりWAP技術はそもそもがモバイルデータ通信をする上でのポイントを外していて、“attractive profits”が得られるポイントではありませんでした。iモードのインターネット標準で”good enough”だったのです。
  2. むしろモバイルデータ通信を普及させる上でのボトルネック(“not good enough”)はコンテンツを整備する環境でした。iPhoneのようにPCサイトをフルブラウザで見られるような時代ではなかったため、モバイル専用に書かれたウェブサイトが不可欠でした。WAPの場合はWMLという新しい書式でページを書く必要があり、なおかつウェブサーバも別個の設定が必要でした(WAPサーバが必要と池田氏は述べていますが、これは誤りでしょう)。WAPのコンテンツを作るのは簡単ではなかったようです。一方i-modeはコンテンツ作りを楽にしてくれたので、i-modeに“attractive profits”が集中したのだろうと考えられます。
  3. i-modeが全盛を極めている間は、携帯端末は“good enough”でした。i-mode自身が規格上「軽い」ウェブサイトしか受け付けなかったので、高性能な携帯端末は機能をもてあましました。その結果“attractive profits”は携帯端末メーカーに蓄積せず、キャリアの御用聞きに成り下がらざるを得ませんでした。
  4. 時代が変わってiPhoneが登場すると、ボトルネックはコンテンツ整備ではなくなります。なぜならパソコン用のウェブサイトがiPhoneのフルブラウザで十分に見られるようになったためです。“not good enough”はむしろスマートフォンの性能や電池の持ちに移ります。そして優れたスマートフォンを開発できる少数のメーカーに“attractive profits”が集中するようになります。なおキャリアの御用聞きに成り下がっていた国内のメーカーには、iPhoneやSamsungに対抗するだけの資金力も技術力も蓄積されていなかったと思われます。

こう考えるとi-modeの栄枯盛衰の原因はかなりわかりやすくて、「携帯端末専用の規格が必要な時代だったか否か」だけで決まっているように思えます。

WAP規格が生まれた頃は「携帯端末用の特殊な規格が必要」だと思われていたのに、実際にはi-modeの「インターネット標準」で十分でした。i-modeの強みはコンテンツの作りやすさで、それ故に最高の「携帯端末専用規格」となりました。そしてi-modeをコントロールしていたドコモに“attractive profits”が集中しました。

しかしハードウェアとソフトウェアの進歩により「携帯端末専用規格」が不要になりました。i-modeが不要になりました。それだけです。

もしi-modeが海外進出を果たしていたとしても、Nokiaの代わりになっただけでしょう。iPhoneやAndroidに駆逐されるのを防いではくれなかったでしょう。Nokiaの惨状を見れば、海外進出などを議論するのはほとんど意味が無いと思えます。

問題があるとすれば、それはi-modeが不要になる未来を描けなかった(未だに描けない)ドコモにあるのではないでしょうか。逆説的ではありますが、自らi-modeを潰し、i-modeが不要になる未来をたぐり寄せるぐらいのことをしなければ、ドコモはi-modeを救うことはできなかったでしょう。

i-modeがどうしてあっさりとiPhone, Androidにやられてしまったかを考える

今作っているPonzuウェブシステム(デモ解説)ではPC版、スマートフォン版、そしてi-mode版を用意しています。

開発中はi-modeの規格とかなり格闘しましたが、一つ強く感じたことがあります。

それはi-modeが項もあっさりとiPhoneやAndroidに追いやられ、ほぼ全面敗北の状況になった理由は、決してマーケティングや海外展開力、キャリアとメーカーの利権関係、あるいはガラパゴス化の問題ではなく、単純に製品が悪かったらからではないかということです。

製品が悪かったというのは、第一にi-modeブラウザのことです。i-modeブラウザは2009年にブラウザが2.0となりましたが、その特徴を一部抜粋しました(ここから);

  1. Cookieに対応。以前のi-modeブラウザは非対応でした。
  2. BMP, PNGの画像表示が可能になりました。以前はGIF, JPEGのみ対応。
  3. Javascriptに対応になりました。以前は非対応。
  4. 外部CSSに対応になりました。以前は外部CSSに対応していませんでした。
  5. 準CSS2対応になりました。以前は対応していないCSSが多くありました。
  6. VGA描写モード(480×640)に対応。以前はQVGA描写(240×320)のみ。

各項目の詳細は省きますが、特筆するべきことはこれらの機能が2009年、つまりiPhoneが発表されてから2年間も経ってようやく搭載されたという事実です。

例えばCookieやCSS、PNGへの対応はi-modeが圧倒的に遅く、auやSoftbankの携帯では以前から普通に使えていました。ガラケーの世界だけを見ても、i-modeブラウザは機能的に遅れていました。

それもi-mode用サイトを作る開発者側にとっては、かなり痛いところが遅れています。例えばPonzuウェブシステムを例にとると、Cookieに対応してくれないとログインシステムが使えません。また外部CSSが使えないと、開発効率が大幅に低下します。CSS2に対応してくれないと表現力が大幅に低下します。i-modeブラウザはかなり本質的なところが遅れていました。

ドコモがi-modeブラウザの開発に真剣に取り組んでいなかったのはかなり明白です。Internet Explorerの開発を滞らせてしまったMicrosoftと完全にダブります。

i-modeがiPhone, Androidに駆逐された原因はいろいろ議論されています。議論の状況はクローデン葉子氏が良くまとめています。また小飼弾氏は良く言われるガラパゴス化の影響について、非常にわかりやすく否定しています

それぞれの議論には当たっている点もあると思いますが、不思議なことにいずれもi-modeの製品自体のクオリティーについては言及していません。あたかもクオリティーには問題は無く、戦略等に問題があったというような議論ばかりです。

でも確実にクオリティーの問題はあったのです。製品力が落ちていたのです。その点に目をつぶって議論するのは大きな間違いじゃないかって思います。